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  1. 愛知県議会 2021-09-01
    令和3年9月定例会(第4号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和3年9月定例会(第4号) 本文 2021-09-28 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 57 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 2 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 3 :  ◯七番(日高章君) 選択 4 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 5 :  ◯農業水産局長中根俊樹君) 選択 6 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 7 :  ◯知事大村秀章君) 選択 8 :  ◯七番(日高章君) 選択 9 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 10 :  ◯三十番(ますだ裕二君) 選択 11 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 12 :  ◯県民文化局長水野直樹君) 選択 13 :  ◯警察本部長後藤和宏君) 選択 14 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 15 :  ◯三番(桜井秀樹君) 選択 16 :  ◯環境局長岡田守人君) 選択 17 :  ◯人事局長川原馨君) 選択 18 :  ◯四十一番(南部文宏君) 選択 19 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 20 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 21 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 22 :  ◯十一番(村瀬正臣君) 選択 23 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 24 :  ◯農業水産局長中根俊樹君) 選択 25 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 26 :  ◯四十六番(神戸健太郎君) 選択 27 :  ◯総務局長(林全宏君) 選択 28 :  ◯防災安全局長(中川喜仁君) 選択 29 :  ◯警察本部長後藤和宏君) 選択 30 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 31 :  ◯労働局長(橋本礼子君) 選択 32 :  ◯四十六番(神戸健太郎君) 選択 33 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 34 :  ◯二十二番(渡辺靖君) 選択 35 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 36 :  ◯建築局長(成田清康君) 選択 37 :  ◯知事大村秀章君) 選択 38 :  ◯二十二番(渡辺靖君) 選択 39 :  ◯四十番(丹羽洋章君) 選択 40 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 41 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 42 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 43 :  ◯六十一番(石塚吾歩路君) 選択 44 :  ◯感染症対策局長(杉原武君) 選択 45 :  ◯知事大村秀章君) 選択 46 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 47 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 48 :  ◯四十七番(新海正春君) 選択 49 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 50 :  ◯都市・交通局長(森哲也君) 選択 51 :  ◯防災安全局長(中川喜仁君) 選択 52 :  ◯福祉局長(岡本範重君) 選択 53 :  ◯知事大村秀章君) 選択 54 :  ◯四十七番(新海正春君) 選択 55 :  ◯四十一番(南部文宏君) 選択 56 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 57 :  ◯副議長近藤裕人君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯副議長近藤裕人君) おはようございます。  ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百四十八号議案令和三年度       愛知県一般会計補正予算から第百八十九号議案       愛知県立愛知総合工科高等学校の専攻科の指定       公立国際教育学校等管理法人の指定についてま       で及び決算第一号令和二年度愛知県一般会計歳       入歳出決算から決算第十七号令和二年度愛知県       流域下水道事業会計決算まで 2: ◯副議長近藤裕人君) 第百四十八号議案令和三年度愛知県一般会計補正予算から第百八十九号議案愛知県立愛知総合工科高等学校の専攻科の指定公立国際教育学校等管理法人の指定についてまで及び決算第一号令和二年度愛知県一般会計歳入歳出決算から決算第十七号令和二年度愛知県流域下水道事業会計決算までを一括議題といたします。  これより一般質問並びに提出議案及び決算に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  日高章議員。     〔七番日高章君登壇〕(拍手) 3: ◯七番(日高章君) 皆様、おはようございます。大府市選出の日高章でございます。本日の朝一番目の質問でございますので、元気よく張り切ってやってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  さて、今回の私の質問は四つであります。  まず、一つ目の質問は、中小企業のデジタル化・DXの推進についてであります。伺ってまいります。
     我が国の産業構造において、中小企業は国内企業の大多数を占め、産業界全体を下支えする重要な存在であり、それゆえ、中小企業の浮き沈みが我が国の経済指標を大きく左右するとされます。とりわけ、産業県である本県はその傾向が顕著であり、中小企業白書の最新データによりますと、本県には企業が二十万八千九百四十八社あり、そのうち中小企業は二十万八千三百十社と、全体の九九・七%を占めています。  近年、中小企業にとって、目まぐるしく変化する経済情勢に取り残されないようにしつつ、存続、繁栄していくために、デジタル化やDX技術の導入は欠かせない要素となっています。  しかしながら、経営基盤が脆弱な中小企業にとって、そのような最先端のデジタル技術を社内に取り込むに当たっては様々な障壁が立ちはだかり、容易にその先へ進めないのが実情です。  その点について、昨年二月議会の議案質疑や昨年度の経済労働委員会で申し上げてきましたように、中小企業がデジタル化やDX技術の導入をちゅうちょする主な理由として、大きく三つ挙げられると考えています。  それは、一つ、デジタル技術に精通した人材がいないというもの。また、二つ、デジタル技術を活用するアイデアが発想できない、あるいは、デジタル技術が自社のどのようなプロセスに適用できるか分からないというもの。そして、三つ、人材がいてアイデアがあっても資金力が乏しいために実現できないというものであります。すなわち、人材、アイデア、資金の不足がその三大理由となっているのであります。  これらの理由のうち、一つでも当てはまれば、中小企業にとって容易に解決できない課題となってしまうために、諦めてしまうケースが非常に多いようです。ゆえに、デジタル化への道をためらう中小企業の背中を後押しするためには、これらの課題を一つずつ丁寧に、全てを支援していく必要があるのであります。  このような観点で本県の取組に目を向けますと、これまで県は、中小企業のデジタル化・DXの推進に当たり、中小企業のデジタル人材の不足の課題解決に向けた施策や、デジタル技術の導入ノウハウを教示する施策を積極的に展開しています。  特に、本年度実施する様々な階層を対象とした個別の人材育成強化策や、デジタル化・DX導入のモデル企業を支援して、それを成功事例として横展開する施策などによって、中小企業がデジタル技術導入をためらう三つの理由のうち、人材とアイデアの課題については解決に向けての効果が期待されます。  しかし、人材の育成に関しては、より専門的な学校等の指導者による教育や指導の機会が必要であり、また、アイデアの着想については、デジタル技術が自社にどのように適用できるのか分からないという点について、より具体的な助言が必要であると感じるところであります。  よって、さらなる取組強化のためには、中小企業がデジタル化・DXに関する専門的な知見や技術を取り込むための、地域の産学行政が一体となったきめ細やかな支援が必要であると考え、この点について、まずは県の考えを伺います。  一方で、三つ目の理由として挙げました、人材がいてアイデアがあっても資金力が乏しいために実現できないという課題に対して、どのような対策が考えられるでしょうか。  資金面での支援という点では、本県は、研究開発、実証実験を支援する新あいち創造研究開発補助金を創設し、平成二十四年度から運用を開始しています。  対象分野としては、次世代自動車、航空宇宙、環境・新エネルギー、健康長寿、情報通信、ロボットなどの次世代産業と言われる分野でありまして、中小企業は事業費の三分の二以内で一億円以下の補助を受けることが可能となるものであります。  しかしながら、そもそも本補助制度は、企業の研究開発や生産の拠点が海外に流出することによる産業の空洞化に対応するため、産業空洞化対策減税基金を活用したものであって、ここで議論する要旨とは視点が異なります。  さらに、世界経済状況の変化によって、平成二十四年当時の懸念事項でありました産業の空洞化の蓋然性は薄らいでおりまして、さらには、近年の円安基調や現下のコロナ禍の影響で海外生産からの調達が滞るなどの理由で、国内生産へ回帰するということが加速しています。  ゆえに、補助制度の要旨を見直し、現状から未来を見据えたものに変化させることが肝要であります。その方向性こそ、まさに企業のDX・デジタル化を促す性質のものであるべきと考えます。具体的には、今後の補助金制度の在り方について検討を進めていくべきであると考え、この点についても県の考え方を伺います。  次に、二つ目の質問、医療・介護・産業用サービスロボットの実用化推進について伺います。  医療、介護や飲食・サービス業など、ロボット技術の活用が幅広い分野で期待されている中、本県のロボット産業は産業用ロボットを中心に、全国有数の産業規模を誇っております。  ロボット産業の将来性や本県の高いポテンシャルを踏まえ、県は二〇一四年十一月に、あいちロボット産業クラスター推進協議会を立ち上げました。この協議会を核として、開発側と利用側が開発段階から連携し、新たな技術、製品を創出する取組によりロボット産業の集積を図り、世界に誇るロボット産業拠点を構築することを目指しています。  このような中、県は、医療、介護のほか、案内や警備、荷物搬送などの様々なサービスロボットの開発支援や社会実装を促進する取組を行っています。  医療・介護分野では、二〇一九年度から藤田医科大学病院に委託し、院内の実証フィールドでロボットの有用性を検証することで、歩行支援ロボットや見守りロボットの実用化に向けた開発を支援しています。  また、案内や警備、荷物搬送などのサービスロボットについては、県内の様々な施設で実証実験を行い、ロボットが活躍する姿をショーケースとして幅広く発信していく事業を、同じく二〇一九年度から実施しています。  これらの取組の中で改善すべき点や課題も抽出され、それを踏まえた今後の取組を検討している時期ではないかと思います。  そこで、まずは一点伺います。  サービスロボットの実用化の推進に向けて、今後、どのようなことに力を入れて取り組んでいくかという点についてお聞かせください。  また、本県では、新たな技術、製品の創出を促進するための拠点として、二〇一五年八月、国立長寿医療研究センター、以後、長寿研としますが、この長寿研内にあいちサービスロボット実用化支援センターを設置しています。  ここでは、医療や介護等のサービスロボットの実用化に向けた開発側の相談対応や、展示コーナーにおいてサービスロボットの実演展示を行い、利用側にロボットに関する正しい認識を持っていただくための取組などを行っています。  しかしながら、現状では県の実用化支援センターは、長寿研内の病棟の奥まった一角に設置されています。また、その実用化支援センターが所在する一室に隣接して、長寿研が設置する健康長寿支援ロボットセンターが存在していますが、この両者がどのように連携しているのか分かりにくい状態であると思われます。  一方で、この実用化支援センター設置当初から展示されている、県内企業が開発する移乗サポートロボット、移り乗るほうの移乗サポートロボットですが、これが病院などからの意見を取り入れ、度重なる改良を実施して上市し、現在の販売台数は月百台ベースになったと報道されていました。これは企業努力の成果とは思いますが、本センターの果たす役割も非常に大きなものであったと私は考えております。  このような好事例を次々に創出していくためにも、両センターそれぞれの機能を十分に発揮できるよう開発支援環境を整えるとともに、より開かれた拠点を目指して、改善していく必要があるのではないかと思います。  そのような中で、県は国と連携して長寿研の老朽化、狭隘化した病棟の建て替えを行っているところであって、今年度末に完成し、来年度、供用開始となる予定です。  これに合わせて、県のサービスロボット実用化支援センターと長寿研の健康長寿支援ロボットセンターも新棟へ移転する計画と聞いております。  これを契機として、両センターの連携体制を強化し、新たな取組を実施するなど、実用化推進拠点としての拡充を図るべきと考えます。  そこで伺います。  あいちサービスロボット実用化支援センターの移設に際して、どのように拡充させる考えかという点についてお聞かせください。  続いて、三つ目の質問として、農畜産物とその加工品の輸出促進について質問します。  昨年、政府は、農林水産物などの年間輸出額を二〇二五年に二兆円、二〇三〇年までに五兆円とする新たな目標を掲げました。  日本の農林水産品はアジアなどの諸外国では大変人気があり、その輸出は今後も大きく伸びると考える一方で、減少傾向が続いている食料自給率を高めていくためにも、国内需要に合わせた生産規模に押しとどめておくのではなく、農業経営の底上げとそれによる輸出拡大など、国内産業の生産基盤の強化が必要であるとの考えが基本にあります。それに向けてこの目標を実現するためには、これまでの国内市場のみに依存する農林水産業の構造を、成長する海外市場で稼ぐ方向に移行することが不可欠としています。  そこで、政府はこのほど、生産から現地販売までのバリューチェーン全体について、作ってからどのように販売していくかを考えるプロダクトアウトから、ニーズを把握して、それを満たす商品を開発するマーケットインに転換する方針を掲げました。マーケットインの発想で輸出にチャレンジする農林水産事業者を後押しすることに重点を置く戦略を押し出したのであります。  具体的には、一つ、リスクを取って輸出に取り組む事業者への投資の支援、二つ、マーケットインの発想に基づく輸出産地の育成・展開、三つ、大ロット・高品質・効率的な輸出等に対応可能な輸出物流の構築を戦略における三つの柱として、本年度より本格的に動き出しています。  翻って、本県の農業を俯瞰すれば、国内有数の農業県でありながら、大都市近郊農業の性質を併せ持ち、豊かな農業基盤から近接する中京圏や都市圏へ効率よく農畜産物が供給される構図が確立されています。さらには、ファーマーズマーケットや産地直売所における販売が好調で、地産地消の割合が比較的高いという状況にあります。ゆえに、産物をあえて輸出していこうとする機運が旺盛でないように見受けられます。  そこでお伺いします。  輸出促進に向けたこれまでの県の取組と、その課題についてまずはお聞かせください。  また、国は、農林水産物輸出の基本的な考え方を定め、これに基づく具体的な施策として、日本の強みを最大限に生かす品目別の具体的目標を設定することとしました。それらを重点品目として、品目ごとのターゲット国や地域を特定し、具体的な輸出目標や手段を明確にして、これらに対して政策資源を重点的に投入することとしました。その生産地を輸出産地として選定し、リストアップされた二十七の重点品目について、全国各地の産地をそれぞれひもづけで選定しています。  ところが、本県産の農畜産物で重点リストに選定されたものは、鶏肉、鶏卵──卵ですね──、レンコン、切り花、茶の五品目とその五産地でありまして、意外にも少ない印象であります。  この点について、地域の農業団体の役員の方々に聞き取り調査をさせていただきましたところ、切実な事情を伺うことができました。それによりますと、重点品目選定に向けての申請要件が雑多で、そのハードルが高いというのが大きな理由のようです。  そのような中でも、知多地域の一部の若手営農者の方々は、地域の需要が旺盛な今だからこそ、将来を見越して海外の市場を開拓していこうと独自の活動を始めています。そのような方々からは、愛知の農畜産物の海外市場獲得に向けて、ぜひとも県からの支援をお願いしたいと熱心な声をいただいています。  このような事情を踏まえて、もう一点伺います。  農畜産物の輸出を促進するためには、主として輸出向けの生産を行う輸出産地を増やす取組が必要であると考えますが、県はこの輸出産地の育成について、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。  最後に、四つ目の質問、学校部活動の在り方と教師の働き方改革について伺います。  学校における部活動は、生徒の自主性、自発的な参加により行われるものであり、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであって、学校教育の一環として、学習指導要領に位置づけられています。  部活動に参加する生徒にとっては、スポーツ、芸術文化等の幅広い活動機会を得られ、体力や技能の向上だけでなく、活動を通じた人間形成の機会でもあります。よって、部活動は、豊かな学校生活を実現する役割を有するのであります。  一方で、部活動の設置、運営は、法令上の義務として求められるものではなく、必ずしも教師が担う必要のない業務と位置づけられています。教師の勤務を要しない休日等の活動を含めて、教師の献身的な勤務によって支えられており、長時間勤務の要因であることや、特に指導経験がない教師にとっては、多大な負担となっているとの声もあります。  ゆえに、部活動は学校教育の一環として行われる活動ではありますが、その指導については必ずしも教師が担う必要のないものであることを踏まえ、近年、教師の働き方改革を進める上で、重点的に検討すべき喫緊の課題とされています。  そのような社会的要請を受けて、昨年九月、文部科学省スポーツ庁より、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について、その方針とスケジュールが示されました。教師の負担軽減を実現できる部活動改革を急ぐもので、まずは、主として中学校を対象とし、高等学校についても同様の考え方を基に進めるとしています。  具体的な方策として、部活動の段階的な地域移行、すなわち、学校部活動から地域部活動への転換が掲げられ、生徒の指導や大会の引率については、学校の職務として教師が担うのではなく、地域の活動として地域人材が担うことを基本とし、地域部活動と位置づけて、実践研究を実施するとあります。  その運営主体としましては、退職教師や、地域のスポーツ指導者、スポーツ推進委員、生徒の保護者等の地域人材の参画や協力を得て、地域スポーツ協会、民間スポーツクラブ、芸術文化団体等が担うことが考えられます。  これらに対して自治体は、地域人材の確保に向けて、人材の育成からマッチングまでの民間人材の活用の仕組みを構築する取組が求められます。  このような部活動の地域移行の方向性については大きく分けて二つあり、それぞれ検討が進められています。一つは、学校敷地内で行われる部活動に対して、地域人材が指導に入り、管理運営が担われるというもの、もう一つは、学校敷地外のスポーツや文化芸術活動に生徒自身が出向くものであります。  しかしながら、後者のような学校敷地外での部活動の方向性について、生徒と保護者からは懸念する声も寄せられています。それは、部活動が学校敷地外に出されることにより、様々な問題が生ずるのではというものであります。  つまり、放課後や休日に学校から再び地域部活動現場へ移動する必要がある場合、交通事故や犯罪被害などのリスクが高まる上に、精神的苦痛、様々なトラブルなどのリスクも発生するという心配であります。  この点について、私の地元の中学校長などの学校関係者の方々に意見を聞いてまいりました。それによれば、おおむね、そのような生徒と保護者の心配する意見に賛同するというものでありまして、やはり部活動の場を学校敷地外へ移すことには、慎重に考える必要があるというものでありました。  国としては、こうした意見を聴取しつつ、地域部活動を推進するための実践研究を実施し、その成果を基に、令和五年度以降、まずは休日の部活動の段階的な地域移行を図るとしています。それに向けての取組として、本県としては県内に拠点校を設け、検討を進めている段階と聞いています。  以上を踏まえ、生徒や保護者の意見などを考慮して、子供たちの安心・安全を最優先しつつ、働き方改革を推進するに当たって、これまでの取組を踏まえて、今後の学校部活動の在り方をどのように考えるか、まずは一点伺います。  また、学校敷地内で行われる部活動の管理運営について、民間事業者に委託する研究がなされ、県内でも一部自治体で取組が進められています。様々な形態が試されているようですが、主なものとしましては、部活動全般の管理運営を事業者が担うもので、平日の放課後、休日、場合によっては早朝練習も全て一元的に管理をし、同じ指導者によるため、方針等が一貫しているというものであります。  事業者側の管理者が常駐して全ての部活動を管理し、活動の現場では、地域人材が部活動ごとに採用されて指導に当たります。また、教師で部活動の指導を望む場合は、教育委員会に兼職兼業の許可を得た上で、地域部活動の運営主体の下で従事することとなります。  このようなスキームであれば、教師と学校管理者、生徒と保護者、地域人材と民間事業者という三者がそれぞれ喜び合える三方よしの状況を創り出し、働き方改革という大きな課題を解決できるのではと考えるところであります。  新たな時代の部活動の在り方として十分に検討に値すると考え、二点目の質問を伺います。  部活動の学校敷地内での管理運営を民間事業者に委託することについて、どう考えるかお聞かせください。  以上で、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯経済産業局長矢野剛史君) まず、中小企業のデジタル化・DXに向けた、地域の産学行政が一体となった支援に必要性についてお答えいたします。  製造業を中心とする本県の中小企業が感染症への対応、サプライチェーンの再編等の急激な事業環境の変化に対応し、今後も競争力を維持、向上していくためには、デジタル技術を活用し、企業自らが変革を成し遂げることが必要であります。  そこで、これまで経営者に向けたセミナーや、幹部社員から一般社員までの各階層に応じた研修、さらには、デジタル技術活用相談窓口を通じたデジタル技術の導入、利活用の支援を行ってまいりました。  今後は、企業の取組をさらに強力にバックアップしていくため、これまで個別に支援施策を展開してきた地域の産学行政が一体となって支援を行うことが極めて重要であると認識しております。  このため、地域の産学行政が企業のデジタル化・DXに向けた支援施策を一元的に実施するあいち産業DX推進コンソーシアムを今年秋に設立いたします。  構成員としては、経済団体、大学、県や市町村といった行政機関、産業振興の支援機関のほか、デジタル技術を提供するIT企業や製造業をはじめとする県内中小企業を幅広く募ってまいります。  コンソーシアムでは、セミナー等を通じた最新のデジタルツールに係る情報提供や、デジタル技術を提供するIT企業等を中小企業とのマッチング、さらには、デジタル技術の導入、活用に至る経過や効果を検証する研究会の開催など、企業が求める様々な支援施策をきめ細かに提供してまいります。  コンソーシアムの活動を通じて、県内中小企業がデジタル化・DXに関する専門的な知見や技術をより一層効果的に得られるよう支援してまいります。  次に、中小企業のデジタル化・DXの推進に向けた今後の補助金制度の在り方についてお答えいたします。  本県では今年度、中小企業におけるデジタル化に向けた現状と課題を把握するため、デジタル技術活用促進調査においてアンケートを実施し、県内二百社から回答を得ました。  その中で、デジタル技術を活用していく上では、人材の育成、確保、活用ノウハウ、資金確保の三点に課題がある旨が多くの企業から挙げられました。  こういったことから、今年度、本県では人材育成支援のほか、活用ノウハウ支援については、デジタル技術を提供する企業と導入意欲のある県内中小企業をマッチングし、導入のきっかけを創出するデジタル技術導入モデル実証事業を新たに実施いたします。  また、資金支援につきましては、デジタル技術の導入を促進する使い勝手のよい補助金制度から新規事業の創出支援に至るまで支援ニーズが多様化しております。こうしたことから、補助金制度の在り方につきましては、中小企業のデジタル化の熟度やニーズ等を踏まえて検討してまいります。  次に、医療・介護・産業用サービスロボットの実用化推進についてのお尋ねのうち、今後の取組についてお答えをいたします。  医療・介護現場をはじめ、飲食や警備、施設管理等の様々なサービス業の現場において、従来からの課題である人手不足への対応に加え、現在の新型コロナウイルス感染症対策としての遠隔化・非接触ニーズへの対応のため、ロボットを活用する機運が高まっております。  本県では、これまであいちロボット産業クラスター推進協議会を核として、分野別のワーキンググループや、国立長寿医療研究センター内に設置しているあいちサービスロボット実用化支援センターなどにおいて、ロボットの開発、実用化を促進する取組を実施してまいりました。  また、二〇一九年度からは国の交付金を活用し、医師や理学療法士などの専門家による実証評価や、案内や清掃、警備ロボット等の様々な施設における実証実験を行うなど、サービスロボットの実用化を促進する取組を強化しております。  これらの取組は、実用化に向けた製品開発、改良や普及促進に着実につながっていると認識しておりますけれども、事業に参加した企業の方などからは、さらなる実用化推進には、ロボットを利用するユーザーが主体的に実証実験に参加できる仕組みや、新たなロボット開発に向けた技術的ブレークスルーが必要との御意見もいただいております。  このため、今年度からは、ロボット開発企業と利用施設との間を専門家がつなぎ、この三者がチームを組む形で事業を実施し、ロボットを利用する施設側の方々を巻き込んだ開発、実証を促進してまいります。  さらに、優れた製造技術を持つ県内企業や、ICT、AI等のデジタル技術、新しいアイデアを持つスタートアップ等との企業間連携への支援にも今後力を入れることにより、県内企業のサービスロボット開発、実用化を加速してまいります。  続いて、あいちサービスロボット実用化支援センターの拡充についてお答え申し上げます。  本県では、二〇一五年に国立長寿医療研究センターの健康長寿支援ロボットセンターと併設、一体的にあいちサービスロボット実用化支援センターを設置し、国立長寿医療研究センターと連携して、医療・介護分野を中心としたサービスロボットの開発、実用化への支援に取り組んでおります。  現在、国立長寿医療研究センターでは新たな病棟が建設されており、本実用化支援センターは新棟一階に新たに整備されるロボット等の研究エリア内へ、病棟が開棟する来年五月に移設することを予定しております。  新設されるロボット等の研究エリアは現在の二倍以上の面積を確保し、これまでのロボット展示スペースに加え、介護施設や高齢者の住宅を模した実証スペース、開発企業が使用できる作業スペースを設置するなど、医療・介護ロボット等の開発・実用化支援の場として、さらに充実した場所となります。  県といたしましては今回の移設を機に、国立長寿医療研究センターが行う実証研究との連携を強化し、支援体制の拡充を図ってまいりたいと考えております。  具体的には、展示ロボットの拡充をはじめ、本研究エリアを活用して行う先進的な開発・実証プロジェクトにスタートアップの参画を促すなど、ロボットの開発促進の取組を強化してまいります。  また、医療・介護施設職員の方々などの見学の際には、住宅を模した実証スペースを活用し、現場での使用をイメージできる体験型の展示を行うことにより、製品開発へのフィードバックや施設への導入に効果的につなげてまいります。  こうした機能拡充により、あいちサービスロボット実用化支援センターがサービスロボットの開発、実用化を加速する拠点となるように取り組んでまいります。 5: ◯農業水産局長中根俊樹君) 農畜産物とその加工品の輸出促進についてのお尋ねのうち、初めに、輸出促進に向けたこれまでの取組と課題についてであります。  本県産農林水産物の需要を拡大し、愛知の農林水産業のさらなる振興を図るためには、海外の需要を積極的に取り込んでいくことが必要と考え、これまで様々な輸出促進の取組を展開してまいりました。
     二〇一二年度から五年間は、香港やタイなど成長著しいアジア諸国において、販売促進会や商談会を行う愛知フェアを開催いたしました。  さらに、二〇一七年度からは、輸出経験の少ない事業者に対して、国内で開催される海外向けの展示商談会に愛知県ブースとして出展し、海外バイヤーとの商談の機会を設けるとともに、自ら海外での商談会に出展する事業者に対しては、出展準備から商談成立まで切れ目なく支援する取組を行っております。  こうした取組により、加工食品を中心に輸出事業者が増加してきており、愛知フェアへ出展した事業者が中心となって設立した輸出研究会がSNSによる情報発信やオンライン商談会の開催など、海外販路拡大に向けて積極的な活動を行っております。  一方、農畜産物では、抹茶などの比較的保存が利く品目については輸出が進んでおりますが、花や果樹などの品目については、検疫に要する手続の煩雑さや、輸送に伴うコストの高さ、輸送中の傷みによる品質低下などが課題となり、いまだ本格的な輸出には至っていない状況にあります。  次に、農畜産物の輸出産地の育成についてであります。  国は、農林水産物等の輸出を加速化するため、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略に定めた二十七の重点品目について、全国の千二百六十一産地を輸出産地としてリスト化いたしました。これらの産地に対して国は本年度中に輸出事業計画を認定し、計画に掲げた輸出に必要な施設等の整備に国費事業の優先採択を行うなど、重点的に支援していくこととしております。  愛知県では加工品を中心に十二品目四十八産地がリスト化され、農畜産物では五つの産地が掲載されておりますが、県内にはそのほかにも、輸出に取り組もうとする産地が数多くあります。このため、県はこの機会を捉えて、輸出に関心のある産地に幅広く声をかけ、国やジェトロなどの関係機関と共に、輸出事業計画の策定をサポートしてまいります。  具体的には、国が紹介する国内外の最新の取組や優良事例、また、ジェトロが提供する輸出先のニーズ調査の結果や輸入規制、検疫などの情報を有効活用し、輸出の実現につながる計画となるよう促してまいります。  さらに、生産体制の強化や輸出コストの低減に必要な施設等の整備に対して、国の事業を活用できるよう支援してまいります。  これらの取組により、農畜産物の輸出を行う産地を県内に数多く育成してまいります。 6: ◯教育長長谷川洋君) 初めに、これまでの取組を踏まえた今後の部活動の在り方についてであります。  昨年九月には、国から学校の働き方改革を踏まえた部活動改革として、休日に教師が部活動の指導に携わる必要がない環境の構築や、休日において地域スポーツ活動、文化活動を実施できる環境を整備し、地域移行の第一段階として、休日の部活動を地域に移行していく方針が示されました。  今年度、国の委託事業を受けて、中学校を対象とした休日の部活動の段階的な地域移行に向けて、運動部は春日井市と大口町、文化部は犬山市において、地域人材や運営団体の確保などの課題に取り組み、実践研究を行っております。  県教育委員会といたしましては、生徒にとって望ましい活動と教員の働き方改革の両立を実現するために、まずは休日の部活動の地域移行を進め、将来的には、二〇一九年一月の中央教育審議会の答申にありますように、部活動を学校単位から地域単位の取組にし、学校以外が担うことを目指して、中学校部活動の在り方を検討してまいりたいと考えております。  次に、学校部活動の学校敷地内での民間事業者への委託についてお尋ねがありました。  少子化や中学校の小規模化が進む中、これまでのような学校単位の部活動を継続していくことは難しい状況になってきております。  昨年九月の文部科学省の方針においても、部活動は生徒にとって教育的意義の高い活動である一方で、教師の献身的な勤務に支えられており、もはや持続可能な状態にあるとは言えないとされております。  こうしたことから、地域における運営主体、運営方法、生徒の安全確保、活動場所、学校を単位とした大会の在り方、教員の関わり方など、様々な角度から検討を積み重ね、学校内での中学校部活動を抜本的に見直していく必要があると考えております。  現在、地域移行の第一段階として実践研究が行われている休日の部活動の地域移行における課題を検証し、生徒のスポーツ・文化活動を地域が支えていく体制の構築に向けて、着実に取り組んでいるところであります。  御質問にありました学校敷地内での管理運営の民間委託につきましては、教員の重い負担の軽減につながる点で一つの方策と思われますが、地域が主体となって生徒にとって望ましいスポーツ・文化活動を支えていく、地域移行の将来的な姿とは異なるものではないかと考えております。 7: ◯知事大村秀章君) 日高章議員の質問のうち、中小企業のデジタル化・DXの推進について、私からもお答えいたします。  その前に、今日のマスクは、大府市で五十周年のマスクでございます。大府のやつ、何かないか、あったよなと思って、出がけに百ぐらいあるマスクをひっくり回したんですけど、なかなか出てきませんでした。  もしなかったらと思って、坂田議長に敬意を表して、お隣の豊明ののぶながくんとよしもとくんのついたマスクを一応用意したんですが、出がけに見つかりましたのでよかったなと思っております。ありがとうございます。  それと、もう一つ、先週の土曜日、私、大府に行ってまいりました。議員も農業振興に触れられましたが、この九月三十日が愛知用水通水六十周年ということでございまして、先週の土曜日、大府のげんきの郷で愛知用水通水六十周年の記念の、本当に人数を限ってのでございますが、六十周年記念イベントをさせていただきました。  愛知用水が当時、世界銀行、世銀の融資を受けて、アメリカの最先端の建設機械、技術者を導入して、実質工期三年で牧尾ダムからあの長大な水路を全部造ったという、大変な工事でありました。  今、受益農地は一万五千ヘクタール、そして、上水道の受益者が百三十四万人、名古屋南部の臨海工業地帯百社に工業用水を供給している大変な愛知の基幹的なインフラだと思っております。また今後も引き継いでいきたいというふうに思っております。  なお、その後、げんきの郷で大府の野菜と牛肉をいっぱい買わせていただきまして、ありがとうございます。ついでに常滑牛乳も買ってきましたので、ありがとうございます。  さて、それでは答弁でございます。  デジタル化・DXでございます。  自動車産業の構造転換や感染症への対応など、不確実性の高い時代にありまして、製造業を中心とする本県の企業が変化に迅速な適応し、さらなる飛躍を遂げるためには、生産性の向上のみならず、新たな価値や新事業を生み出していくことが極めて重要であります。  こうした考え方の下、本県では企業の変革を促すため、スタートアップ・エコシステムの形成と県内既存企業のDXを両輪として、本県地域におけるイノベーションの創出を図ってまいります。  具体的には、愛知の産学行政が一体となったあいち産業DX推進コンソーシアムを今年十一月に設立いたしまして、オール愛知でのDXを強力に進めてまいります。  このコンソーシアムを最大限に活用して、地域一丸となったデジタル化・DXをさらに加速していくため、本県といたしましてもDXに取り組む企業の声をお伺いしながら、デジタル人材の育成、デジタル技術活用ノウハウの提供等、様々な課題への対応を着実かつ迅速に進めてまいります。  これらを通じまして、議員も御指摘のとおり、製造品出荷額等が四十三年連続日本一を誇るモノづくり愛知のさらなる発展を実現してまいります。 8: ◯七番(日高章君) それぞれ、御答弁をありがとうございました。  最後に、二点、要望をさせていただきます。  まず、一点は、中小企業のデジタル化・DXについてでありますが、補助金制度について先ほど前向きな検討をしていくという御答弁もいただきました。これに関して国の補助金制度で、その申請要件などによる副次的効果によって、デジタル化を後押しする制度設計に着目して提言をしたいと思います。  国は平成二十七年度頃より、ものづくり補助金などの研究開発や設備投資を目的とした補助制度であっても、その申請要件や採択に向けての加点項目で、事業計画内容にデジタル化やDXを取り入れることを重点的に求めるようになってきています。  それによって、アイデアや人材不足の問題でデジタル化に対して前向きでなかったり、また、資金不足でデジタル化をちゅうちょしていた事業者も、設備投資などを目的とする場合であっても何とか補助金を得たいがために、積極的にデジタル化をその事業計画に盛り込んで申請することが顕著に増加しました。  結果として、中小企業では、これらの補助金制度に申請したことがある事業者と、そうでない場合とでデジタル技術の導入の割合に大きな開きができているとの報告があります。本県の補助金制度の在り方にもぜひ参考にすべき仕組みであると思います。  一方で、国のものづくり補助金やIT導入補助金などは、申請要件が非常に厳しい上にその採択率が低く、これらへの挑戦は、中小企業にとっては非常に高いハードルとなっています。  ゆえに、これらの補助金制度の愛知県版を、しかも、それが中小企業向けであることの制度の創設を望む声が多く上がっています。  このような声を受けまして、愛知県商工会議所連合会などからは、県への本年度の要望にも重点項目として上げられるようであります。このような事情を十分に考慮しまして、補助金制度の再構築を検討していただきますように要望します。  次に、もう一点、サービスロボット実用化支援センターについてであります。  移設に際しての拡充に当たって、より開かれた親しみやすいものにしていただきますように要望します。開発者、利用者の目線だけでなく、国内外から多くの視察者を呼び込めるようなものとし、あわせて、情報発信も強化していただきたいと思います。  その上で、開発技術やノウハウがスタートアップにもつながるようにする視点、先ほども御答弁でいただきましたが、これが大変重要だと思います。そして、その新たな生まれたビジネスが県外に流出することなく、県内にしっかりと着地をして、根づくようにしていく必要があります。  そのためには、今後整備が進められていきますSTATION Aiとの連携という点にも重きを置いて、移設の拡充を図っていただきたいと、しかと要望しまして私の質問を終わります。 9: ◯副議長近藤裕人君) 進行いたします。  ますだ裕二議員。     〔三十番ますだ裕二君登壇〕(拍手) 10: ◯三十番(ますだ裕二君) おはようございます。名古屋市中区選出のますだ裕二でございます。通告に従い、順次質問をさせていただきたいと存じます。  私からは、伝統的工芸品を後世へと引き継ぐ取組について、そして、視覚障害のある方の支援について、以上、大きく二つの項目について質問してまいります。  先日、杉江議員から伝統的工芸品について質問がありましたけれども、私からも違う視点から質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。  遡ること大正から昭和初期にかけて、私の生まれ育った名古屋市中区鶴舞周辺で代々続くおけ職人がいました。これは、私の祖父と曽祖父のお話であります。  名古屋港から熱田区の宮の渡しを通り、中区の矢場町にある堀留浄水場まで続く新堀川は、当時、材木を運ぶ川として利用されていました。そして、人工的に掘られた新堀川から出た残土で造られたのが、今年で百十二年を迎える鶴舞公園であります。  この新堀川から運ばれた材木を使い、木を乾かし、カットした木に針金を巻き、一つのおけが完成します。当時、おけを海外へ輸出する企業が鶴舞公園周辺にあったことから、曽祖父の時代からこの地域でおけを作り、国内のみならず、海外にも輸出していたそうであります。そして、この地域には多くのおけ職人が住み、その腕を競ったと言われています。  葛飾北斎が描いた絵で、おけ職人が作業をする背景に富士山が描かれた尾州不二見原という絵があります。この絵は、江戸時代後期、現在の中区栄ラシックにあった尾張藩士牧墨僊の屋敷に葛飾北斎が訪問した際、富士山が見えるという由来から町名がつけられた中区富士見町でおけを作る職人を目にし、それを題材にした絵だと言われています。当時の葛飾北斎の目には、私の生まれ育った地域でおけを作る職人の姿が映っていたのかもしれません。  しかし、時代の流れとともに、湯おけもプラスチック製へと変わり、他のおけも需要が激減したことから、曽祖父、祖父へ引き継がれた職人技は、後世へと引き継がれることはありませんでした。  私の生まれ育った中区の橘学区はたくさんの神社、仏閣があり、名古屋城へと続く城下町の入り口に位置していたことから、多くの職人が住み、その腕を振るったとされています。そして、愛知県の伝統的工芸品に指定されている名古屋仏壇、尾張仏具の発祥の地でもあり、現在でも伝統工芸士の方々が百年以上の歴史を引き継ぎ、その腕を振るっています。  しかしながら、関係者の方に話を伺うと、時代の移り変わりにより、大きな仏壇を置く家庭も減少し、和室で正座をし、仏壇に手を合わせる習慣さえなくなりつつあるとのことでありました。  思い返せば、祖父の時代も、プラスチック製のおけは軽くて利用しやすく、安価で購入できたことから、時代の移り変わりに対応できなかったことが後世へと引き継げなかった理由だと感じました。もし仮に現在まで木おけを続けていたら、百年以上の歴史があることから、残りの要件を満たせば、伝統的工芸品に指定していただいていたのかもしれません。  そんな思いを胸に、地域のまちづくり協議会の一員として橘町周辺のまちづくりに携わりながら、私たち世代が地域の歴史や文化を後世へと引き継ぐ取組を地域の皆さんと一緒になって取り組んでまいりました。  そして、大きな契機になったのは、五年ほど前に当時の吉澤産業労働部長と一緒に参加をさせていただいた、名古屋仏壇商工協同組合青年部の勉強会でありました。  その勉強会では、試作品として伝統工芸士により作られた漆塗りの名刺入れや手鏡などが展示され、それを商品化するために、東京より講師を招いて開催したものでありました。  他には類を見ない一点物の商品には、見る者を魅了するものがあり、ふだん見ている仏壇、仏具からは想像できない商品となっていました。  東京より来られていた講師の方は、私たちは商品を売るプロである、そして、伝統工芸士の皆様は商品を作るプロである、お互いが得意分野を生かすことにより、全てが手作りである商品の価値を高め、市場に出すことができるとおっしゃっていました。  そして、この勉強会に参加したことをきっかけに、伝統工芸士の技術を使った商品を開発し、その商品の魅力を高め、市場へと出していく、愛知県の伝統工芸産業ブラッシュアップ事業が誕生したと聞き及んでいます。  文化や習慣が変わったのであれば、時代の流れに合った商品の開発等を進め、伝統的な技術を後世へと引き継いでいかなければなりません。  こうした中、伝統工芸産業ブラッシュアップ事業の採択事業者でもある私の地元、橘町で、仏壇、仏具、神具、山車、みこしなどの祭礼具に取り付ける装飾金具である飾り金具を製造する尾張仏具の伝統工芸士より、時代の移り変わりにより、業界がどのように変わってきたのか聞いてまいりました。  まずは、本来の主業である仏壇や仏具、みこし等の飾り金具は、業界全体として需要が減少しているとのことでありました。その背景には、先ほど申しましたとおり、文化や習慣が変化してきたことや、安価な量産品が出回ってきたことが大きく影響しているようです。そして、需要減少に伴い伝統工芸士の数も減少し、今では名古屋城の天守閣復元にも、地元職人を集めることが難しくなるのではないかとのことでした。  実際に数字でお示しいたしますと、本県の伝統的工芸品の生産額は、平成二十一年度の約六十七億円から令和元年度では約四十九億円となり、十年間で約三割減少していることが分かります。  また、従業員数につきましても、平成十年度の十一・五万人が平成二十九年度に約五・七万人と半減し、伝統工芸士についても、平成十九年度から減少傾向が続いています。  愛知の歴史を牽引してきた山車やみこしの修理、歴史的建造物の修繕など、その歴史を残していくために必要な技術者がいなくなってしまっては、歴史そのものが引き継がれなくなってしまいます。  何人かの伝統工芸士に話を伺ってきましたが、最終的に行き着くところは、技術を生かしたくても昔ほど需要がなく、この技術を使った新しい商品開発など、伝統的工芸品本来の目的である日常的に使える商品の開発及び販路開拓が必要だと口をそろえておっしゃられます。  そういった意味では、愛知県の行っているブラッシュアップ事業は、伝統的技術を使い、これからのニーズに合った商品開発を行い、それを商品として流通させることを目的とする取組として、伝統工芸士等からも注目されています。  そして、今回お話を聞かせていただきました橘町の伝統工芸士の方も、飾り金具の技術を使い、ピンバッジやタイピンを商品化されました。本日は大村知事にも手羽先のデザインのものをつけていただいていまして、また、私もエビフライのバッジをつけさせていただいています。  このように、すばらしい伝統的技術を使った製品が日常的に使える商品として生まれ変わりましたが、本当の課題はこの先にあります。  ここからは課題を整理させていただきたいと思いますが、今回の質問に際し、私たち地域の伝統的工芸品特有の問題ではなく、愛知県の伝統的工芸品十五品目が抱える問題であるかどうかを確認するため、事前に愛知県経済産業局にアンケート調査を実施していただきました。  アンケート調査は、愛知県内で国が指定する伝統的工芸品十五品目の組合等事務局に対して行っていただきました。そして、愛知県内十五品目全ての組合等から回答をいただいています。  まずは、産地の維持、振興に向けた課題について、複数回答可としお伺いしたところ、消費者の生活様式の変化やニーズに対応した商品開発ができていないが十一組合と最も多く、次いで、後継者の確保が難しく、不足しているが八組合、販路拡大、販路開拓ができていないが七組合でありました。  そして、後継者不足がどれぐらい深刻な問題であるか聞いたところ、八割以上の組合員に後継者がいないと答えたのは四組合、五割以上八割未満の組合員に後継者がいないと答えたのは八組合、合計すると、十二組合が五割以上の組合員に後継者がいないことが分かりました。  そして、その十二組合のうち十組合がその理由を、希望者はいるが、経営状況を考えると雇用できないと答えました。  伝統工芸士の方々のお話やアンケート結果から見えてきた大きな課題としては、ニーズに合った商品の開発及び新たな販路を開拓することで、安定した収益が得られる体制をつくり、新たな雇用を生むことのできる環境を整えた上で、後継者等担い手の育成を行っていくことだと思います。  そこで、ニーズに合った商品の開発は、ブラッシュアップ事業で支援をしていただいていることから、新たな販路開拓と後継者等担い手の育成の二点について質問させていただきます。  まずは、販路開拓について経済産業局にお聞きします。  佐賀県、秋田県、岐阜県は、十年以上前から新たな需要掘り起こしのため、ヨーロッパにおける販路開拓としてフランスを最重要国として位置づけ、フランス人デザイナーとの共同商品開発や、国際見本市への出展、フランスでのセミナーや実演などを行っており、大盛況であるとジェトロのパリ事務所長も報告書に記載しています。  親日的で日本通の多いフランスでは、日本で売られているままの産品を志向する傾向が強いことから、洗練された技術力の高さといったポジティブな評価をされています。関税、送料、保険費など大きなネックであった現地の上代でありますが、経済連携協定で関税が撤廃されたことにより、今後、市場拡大が期待されているそうであります。  また、京都府では、中国の天津市唯一の日系百貨店である天津伊勢丹と一緒に、中国での販路拡大を視野に入れ、共同イベントを開催しています。  具体的には、催事コーナーに伝統的工芸品と併せてQRコードを展示し、実際に見て触れていただき、気に入った商品があれば、スマホ等でQRコードを読み取り、越境ECと呼ばれる海外向け通販サイトを通じて商品が購入できる仕組みを構築しています。  世界で最もECシェアの高い中国において越境ECを活用することは、全国から商品の購入が可能なだけでなく、中国商標権の取得、輸送や在庫などのリスクを避けることもできます。  このように、コロナ禍においても世界各国の状況を鑑みながら、各都道府県では海外との新たな連携を模索し、取組を推進しています。  愛知県としても、国内のみならず、海外へと販路を拡大、確立していくことは、訪日外国人の減少で落ち込んだインバウンドを補うためにも重要な取組の一つであると思いますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、伝統的工芸品産業の販路開拓の支援について、今後、県としてどのように取り組んでいかれるのかお聞きいたします。  また、今年十一月にアイチ・スカイ・エキスポで開催される伝統的工芸品全国大会は、愛知県の産地企業が国内のみならず、海外に向けても新たな販路を開拓する絶好の機会かと思われます。  そこで、全国大会において、産地企業の新たな販路開拓を後押しするため、どのような取組を実施するのかお聞きします。  最後に、全国大会が愛知県で開催されるのは三十五年ぶりであり、この大会開催を契機に伝統的工芸品を後世へと引き継いでいくためにも、多くの県民に知っていただき、また、大会のレガシーを引き継いでいくことが必要であると思います。  そこで、全国大会開催を愛知県民にも広く知っていただくため、県の施設を使い、全面的にPRしていくべきであると思いますが、県としての考えをお伺いします。  次に、伝統的工芸品の後継者等担い手の育成について、県民文化局に質問してまいります。  伝統的工芸品の振興を所管する経済産業局ではなく、なぜ県民文化局へ質問するのかと思われるかもしれませんが、私は、伝統的工芸品の技術や、その担い手は、文化財の種類の一つである無形文化財として位置づけることが可能で、無形文化財の保護という切り口からでも、伝統的工芸品の後継者等担い手の育成が支援できるのではないかと考えています。  文化庁の資料によれば、無形文化財とは、演劇、音楽、工芸技術、その他の無形の文化的所産で我が国にとって歴史上または芸術上価値の高いものと定義されています。
     また、無形文化財は、人間の「わざ」そのものであり、具体的にはそのわざを体得した個人または個人の集団によって体現されるとも書かれています。  これまで国は、無形文化財のうち重要なものを重要無形文化財に指定し、同時に、これらのわざを高度に体現、体得している者または団体を保持者または保持団体として認定しています。そして、重要無形文化財の保存のため、保持者に対し、年額二百万円の特別助成金を交付しているほか、保持団体が行う無形文化財の伝承者育成事業、公開事業等に対し、その経費の一部を助成しています。  こうした中で、この四月に文化財保護法が一部改正され、六月十四日に一部施行されました。その一部改正の中には、これまでハードルの高かった国指定の重要無形文化財の下に登録無形文化財という新たな国の制度を追加し、幅広く文化財の裾野を広げて保存活用を図るというものがあり、この制度に基づき国の登録原簿に登録されれば、その文化財の伝承者育成にも国の補助が受けられるということであります。  今回の文化財保護法の一部改正では、もう一つ、注目すべき点があります。施行は来年の四月一日ですが、それはこれまで国にしかなかった文化財の登録制度をさらに地方自治体においても設けることができるとされたことであります。できる規定でありますので、制度を設ける、設けないは自治体の判断となりますし、全都道府県のうち約二十の自治体では、様々な理由で今回の登録制度を設ける予定はないとの話も聞こえてきています。  私は、他県がどうであっても、ぜひとも本県では今回の法改正の趣旨を踏まえて、本県独自の新たな文化財登録制度を設けていただき、県内の様々な文化財をこれまで以上に保護、支援していただきたいと思います。  また、文化庁の資料によれば、様々な文化財のうち、どの種類の文化財を登録の対象とするかは、その自治体の任意とされています。つまりは、愛知県の文化財登録制度は、愛知県の判断で設計すればいいということであります。  私は、モノづくり愛知として、伝統的工芸品の技術やその担い手が含まれる無形文化財も加えた登録制度を創設し、あわせて、支援についても御検討いただければ、本県の伝統的工芸品の後継者等担い手の育成にもつながると思います。  そこでお伺いします。  文化財保護法の一部改正に伴う地方公共団体による文化財登録制度について、県としてどのように取り組んでいかれるのかお聞きいたします。  次に、視覚障害のある方の支援について質問させていただきます。  この質問に際し、二人の友人の元を訪ねました。そして、この二人の話を聞かせていただいている中で、この質問をさせていただこうと決めました。なぜなら、二人とも四十を過ぎてから視力に支障を来し、日常生活を送る上で、私たちが感じることのない不安を抱えていました。  視覚障害のある方が外を出るときに持ち歩いている白いつえ、白杖があります。白杖の意味は、ライオンズクラブの活動理念にもあったことから理解していたつもりでありましたが、その白杖を使って視覚障害のある方が出されている合図までは全く理解していませんでした。  例えば、白杖の中心部分を両手で持っているときは、誰かに助けを求めている合図だそうです。また、白杖で点字ブロックをたたいて、音を出しながら歩いていくのは、自分たちの存在を分かってもらうために、音で知らせてくれているとのことでありました。  この話を聞かせていただいた私の十数年来の友人は、網膜色素変性という難病にかかり、四十五歳で視力を失いました。この難病は、平成二十七年の調査によると、四千から八千人に一人の割合で発症し、全国で三万人近い患者がいるとのことであります。最初は、暗いところで物がよく見えない、つまずいたり物にぶつかるようになるといった初期症状があり、気づくと、視野が徐々に狭くなっていき、失明に至ると言われています。  昨今では、私の友人のように、難病や緑内障により四十を過ぎてから視覚に支障を来す中途障害者が増加傾向にあります。令和三年四月一日現在、愛知県内で身体障害者手帳の交付を受けている視覚障害のある方は一万四千三十五人であり、市町村が実施する自立支援給付や地域生活支援事業を受けられています。  しかし、視覚障害のある方が自立して地域で暮らしていくことができるようにするためには、安心して外出できるような支援策にも力を入れていかなければならないと思います。  二人の友人の話では、中途で障害を抱えたこともあり、盲学校等で歩行訓練を受けていないことから、今でも外出するときに一番の不安を覚えるそうであります。外に出て歩くときは、点字ブロックの上を歩きながら、交差点の音響式信号機が発する音を頼りに、その音に向かい歩くそうであります。船の航海で例えると、広い海の中で迷わないように、灯台に向かって航行するようだと言っていました。  そして、冒頭にお話しさせていただいたように、時には道に迷い、助けを求める場合もあるそうでありますが、なかなかその合図に気づいてもらうことができないそうであります。  視覚障害のある方に安心して外出していただくための交通安全対策は、非常に複雑な課題だと感じました。  そのような話を伺っているときに、過去にこのような出来事があったことを思い出しました。平成三十年二月二十六日、朝の東別院駅で街頭活動をしていたときに、いつも同じ時間帯に駅を通る地元の方から、あそこの交差点についている音響式信号の音が出ていないから、後で見に行ってくださいと声をかけられました。実際に見に行ってみると、確かに音が出ていないことから、県警に問合せをし、確認をしてもらいました。  そこで初めて分かったことでありますが、愛知県内に設置されている多くの音響式信号が近隣住民への配慮等で、音量を絞ったり、時間制限をしているとのことでありましたが、私が相談を受けた音響式信号機も、故障ではなく、時間制限により音が鳴らない設定になっていました。  実際にどれくらいの音響式信号機が制限されているか調べてみたところ、愛知県内では令和三年三月末現在、音響式信号機の約六三・二%が時間による制限がかけられているそうであります。  そして、平成二十九年から令和二年に全国で起きた視覚障害のある方の歩行中の交通死亡者数は九人、重軽傷者数は八十三人にも上ります。  また、平成三十年十二月七日に東京都豊島区で起こった視覚障害のある方の死亡事故も、音響式信号が設置されている交差点でありましたが、音響装置が止められている時間帯に起きてしまいました。  このような状況の中で、当事者の方々はどのような不安を抱えながら暮らしているのか、視覚障害のある方の支援団体である社会福祉法人名古屋ライトハウスさんにお話を伺いに行ってまいりました。  私が話を伺った所長と職員の方も先天性ではなく、私の友人同様、中途障害になられた方々でした。外出について話を伺わせていただくと、いつもの交差点で音響式信号が鳴っていないだけで、時には何時間も交差点にとどまり、車の行き来するエンジン音だけを頼りに、命がけで交差点を渡るとおっしゃっていました。  ところが、昨今では、車のエンジン音も静かなことから、僅かな音を頼りにしますが、風が強い日などは、音が聞こえづらいときもあるそうであります。  このようなことから、確実に音響信号が鳴っている時間帯までしか出かけることができず、帰りが少し遅くなってしまうだけで、命がけで家に帰らなければならない状況になるとのことでありました。  障害のある方の交通安全対策として、バリアフリー新法に基づき、歩行空間のバリアフリー化を推進するため、音響式信号機の設置や、横断歩道内の点字ブロックであるエスコートゾーンの整備等を行っていますが、音響式信号機が設置されているのは、全国でも全信号機の一一・七%、そして、横断歩道上に点字ブロックのあるエスコートゾーンに関しては、全横断歩道の一%未満しか整備されていない状況にあります。  こうした中、警察庁では令和三年度に、目の不自由な人に向けた、スマートフォンで信号の色を音声や振動で伝え、道路横断を支援する高度化PICSを全国の信号機に設置する方針を決めました。  高度化PICSとは、歩行者用の信号の表示色情報等をブルートゥースでスマートフォンに提供するとともに、スマートフォンから横断時間の延長要求を受け付ける装置です。  現在では、信GO!というアプリを利用することで、この受信した信号の情報を振動や音声で案内するほか、一部の交差点では、交差点を渡り切れない可能性があるときは、青信号の延長要求をすることも可能です。  私も先行して導入された静岡県警を視察させていただきました。静岡県警では、視覚障害者団体と定期的な会議や、高度化PICSの体験会を通じ、導入に至ったそうであります。現在、静岡県警では、静岡駅周辺と三島市周辺で整備が進められ、私も静岡駅周辺で実際にアプリを利用し、体験をさせていただきました。  使ってみた感想としては、地図との連動性がないため、アプリに改善の余地はあるものの、視覚障害のある方が現在の音響式信号と併用して活用すれば、かなりの安全性が確保できるのではないかと感じました。  そして、静岡県警の方もおっしゃっていましたが、これからは、視覚障害のある方のみならず、横断歩道を渡り切れない高齢者の支援にもつながることから、今後も整備地域を拡大していきたいとのことでありました。警察庁からの方針に基づき、これから全国へと広がっていくことに期待したいと思います。  そこで、県警本部長にお聞きします。  愛知県でも高度化PICSが導入されると聞いていますが、具体的な整備地域とその選定理由、そしてその時期についてお伺いいたします。  また、静岡県警で調査をさせていただいたときに、視覚障害者団体との意見交換会や高度化PICSの体験会が最も重要であるとのことでありました。そこで、社会福祉法人名古屋ライトハウスさん、社会福祉法人名古屋市身体障害者福祉連合会さんにお話を伺うと、幾つかの問題点を指摘されました。  まずは、ブルートゥースの電波を受けるスマートフォンを持っている視覚障害のある方の割合が低く、使いこなせる方が非常に少ないこと。そして、愛知県内では、ほとんどの視覚障害のある方が高度化PICSを体験したことがなく、期待よりも不安のほうが大きいと話されていました。  視覚障害のある方へのスマートフォンの普及やICTサポート推進事業につきましては、福祉医療委員会で質問してまいりますので、もう一つの問題である高度化PICSの体験会や事前の意見交換会の開催について、愛知県警としてどのように考えていられるのか教えてください。  結びに、今日の一般質問のためにお話を聞かせていただきました伝統工芸士の皆様、そして、私の二人の友人はじめ視覚に障害のある団体の皆様も、ライブ中継を通じて私の質問に耳を傾けてくださっています。  関係者の皆様の夢と希望につながるような答弁に期待し、壇上からの質問を閉じさせていただきます。御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) 11: ◯経済産業局長矢野剛史君) まず、伝統的工芸品産業の販路開拓支援における今後の県の取組についてお答えをします。  伝統的工芸品の産地では、議員御指摘のとおり、安定した収益が得られる体制づくりが重要であると認識しております。  国内消費が低迷する一方、欧米においては和の生活様式に対する関心の高まりが言われており、海外に目を向けた販路開拓は、今後ますます重要性が増していくものと考えられます。  そこで、現在実施しております伝統工芸産業ブラッシュアップ事業では、伝統的工芸品の技術、技法を生かした新商品の開発支援のほか、国内外の展示商談会への出展や、ウェブサイトの活用を通じた販路開拓についても専門家の支援対象としております。  また、資金面での支援といたしましては、あいち中小企業応援ファンドにより、新事業展開に係る経費を助成しております。例えば、ブラッシュアップ事業で開発した新商品を海外展示会へ出展する場合、商品の輸送やカタログの翻訳、多言語化PR動画の作成などの必要経費について助成し、海外展開を支援しております。  しかしながら、伝統的工芸品の産地は個社単独で海外展開等を行うことが容易でない小規模な事業者も多く、海外ビジネスに精通した専門機関等による伴走型の支援が重要であると考えております。  本県といたしましては、海外への販路開拓についても円滑に進むよう、今後、現在の支援メニューのさらなる周知に努めるとともに、ジェトロなどの専門機関と連携しながら、産地企業の販路開拓支援にしっかりと取り組んでまいります。  続いて、伝統的工芸品月間国民会議全国大会における販路開拓支援の取組についてお答えをいたします。  県内外から多数の来場者が訪れる全国大会は、消費者に対して工芸品の魅力を直接PRできる絶好の機会となりますので、愛知県伝統的工芸品展などでの展示販売や職人の実演等を通じて工芸品の魅力を間近で体感していただき、一人でも多く工芸品のユーザーとして取り込んでまいります。  また、大口顧客向けの販路開拓支援として、国内及び海外バイヤーとのBtoBの商談会を実施いたします。国内バイヤー商談会については、中部経済産業局との共催により、国内の百貨店、商社などのバイヤーと産地企業が対面形式で行います。また、議員御指摘のとおり、海外への販路開拓は重要であることから、海外バイヤー商談会については、ジェトロ名古屋との共催により、オンライン形式で行います。  ジェトロの海外ネットワークを活用して、欧州やアジア地域のバイヤーを広く集めるとともに、通訳を用意し、海外バイヤーとのやり取りを円滑に行います。また、商談会の実施に当たっては、事前に説明会を開催するなどして、商談会の経験が少ない事業者でも参加しやすいよう工夫して、産地企業の販路開拓をきめ細かく支援してまいります。  続いて、全国大会開催に係る県の施設を使った県民の皆様へのPRについてお答えいたします。  全国大会の開催については、県民の皆様に広く知っていただけるよう、様々な場所と機会を捉えてPRを行っていくこととしており、幅広い世代の方々が利用する県の施設においても関係部署と連携を取りながら、効果的にPRを行ってまいります。  例えば、瀬戸市にある陶磁美術館においては、十一月二日から約一か月間、常滑焼、赤津焼、瀬戸染付焼、三州鬼瓦工芸品の四品目の工芸品の展示とともに、全国大会のPRコーナーを設置いたします。  また、県図書館においては、十一月十二日から約二か月間、尾張七宝の工芸品の展示とともに、伝統的工芸品に関する企画展示として、全国大会のポスターや県内の伝統的工芸品十五品目のパネル展示、工芸品に関する図書資料の展示、貸出しなどを行います。  さらに、県庁舎内においても、伝統的工芸品について多くの方々の目に触れるよう工夫を凝らし、ポスターやパネルを中心とする展示を行います。  本県では、三十五年ぶりの開催となる今回の大会に多くの県民の皆様が来場し、伝統的工芸品について関心を深めていただけるよう、PRについてもしっかりと実施してまいります。 12: ◯県民文化局長水野直樹君) 伝統的工芸品を後世へと引き継ぐ取組に関連して、文化財保護法の一部改正に伴う地方公共団体による文化財登録制度について、県としてどのように取り組んでいくのかお答えいたします。  文化財保護法の改正により、来年四月から国の指定・登録文化財及び地方公共団体の指定文化財以外の文化財を、条例の定めるところにより、地方公共団体の文化財登録簿に登録できることとなりました。  この地方公共団体の文化財登録制度について、国は明確な基準を示しておらず、各自治体は導入するかどうか、また、導入する場合、対象とする文化財の範囲をどうするかなどについて、自ら判断することとなります。  文化財登録制度について、現時点での各都道府県の状況は、従来から独自制度ありと新設予定とが合わせて十四団体、新設予定なしが十九団体、検討中または未定が本県を含め十四団体となっており、判断が分かれているところであります。  制度創設による効果としては、地域の文化財により幅広く保護の網をかけられることや、所有者や担い手等の保存、継承への意識を高められることなどが期待されます。  一方で、事前調査や登録審査のための県文化財保護審議会委員等の人員や時間の確保や、伝承や普及、活用に関する事業等への支援の在り方などの課題について検討する必要があります。  こうしたことを踏まえ、本県といたしましては、議員お示しの無形文化財を含め、まずは県文化財保護審議会に諮り、登録対象とする文化財の範囲、登録基準、登録までの手続等についてしっかりと検討してまいります。  その上で、社会の変化に対応した文化財保護制度の整備を図るという今回の法改正の趣旨を前向きに捉え、本県における文化財登録制度の創設に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。 13: ◯警察本部長後藤和宏君) 初めに、当県における高度化PICSの導入についての御質問にお答えをいたします。  議員お示しのとおり、高度化PICSとは、ブルートゥースによりスマートフォンに対して歩行者用信号の情報を送信し、視覚障害のある方の横断を支援するシステムであります。  今年度、警察庁におきまして、高度化PICSの全国的な普及を図るため、東京都及び一部の指定市を有する府県に対して、全額国費による予算措置がなされたところであり、当県につきましては二十四基分の配分を受け、整備することといたしております。  整備地域につきましては、視覚障害者団体から御要望をいただきました地域のうち、視覚障害のある方が頻繁に利用される施設などへの主要な交差点を選定しております。  具体的には、名古屋市中村区、昭和区、瑞穂区及び港区の四区内に十二基、小牧市内に五基、豊田市内に四基、豊橋市内に三基を今年度中に整備することといたしております。  次に、高度化PICSの体験会等の開催についての御質問にお答えをいたします。  高度化PICSは当県では初めて導入されるものであり、全国的にも導入事例は少ないことから、多くの方々にとってなじみが薄いものであり、また、高度化PICSを利用するためには、スマートフォン等の携帯端末を使用することが前提となりますが、視覚障害のある方の中には、こうした機器に不慣れな方も少なくないものと認識をいたしております。  こうしたことから、議員お示しのとおり、実際のシステムを用いた体験会や事前の意見交換会等の機会を設けることは、高度化PICSに対する理解を深めていただき、安心して御利用いただくために有用であると考えているところでございますので、視覚障害者団体等と連携しながら、取り組んでまいりたいと考えております。 14: ◯副議長近藤裕人君) 進行いたします。  桜井秀樹議員。     〔三番桜井秀樹君登壇〕(拍手) 15: ◯三番(桜井秀樹君) 豊田市選出の新政あいちの桜井秀樹です。通告に従い、二点について質問させていただきます。  初めに、愛知が目指す自動車環境対策であります。  昨年九月に菅政権が発足をし、十月の所信表明演説におきまして、日本経済の再生を主軸とした成長戦略が提示され、十二月には二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略が策定をされました。  この二〇五〇年のカーボンニュートラル宣言、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロという言葉のインパクトは絶大でありましたが、既に欧米中の各国、地域がグリーン化に伴い、産業の競争力を国策として打ち出す一方で、日本の出遅れ感は否めず、早急な取組の必要性も感じました。  その後、二〇三五年までに乗用車新車販売で電動車一〇〇%を実現するとも発表され、カーボンニュートラルの実現がますます加速されると思われます。  しかし、残念なことは、自動車が全て電動化されると、カーボンニュートラルが達成されるという論調もありました。二〇一九年度の我が国の自動車を含めた運輸部門におけるCO2排出量は全体の一八%であり、残りはエネルギー転換部門が三九%、産業、民生の順となっていることがあまり知られていないことは少々残念であります。  自動車産業のカーボンニュートラルの実現に向けては、電動化シフトだけではなく、多様な選択肢を持つことが重要であり、幅広い技術開発が求められております。  例えば、合成燃料や水素エンジン車が実用化されれば、内燃機関でも脱炭素化は可能であり、百年の歴史を持つ内燃機関の技術的蓄積を発展的に存続すれば、五百五十万人いると言われている自動車産業に関わる雇用が守られると考えます。  また、先ほど触れました二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略では十四の重要分野の成長戦略が示されましたが、その後、二〇五〇年までの工程表、ロードマップの早期作成が待たれるわけであります。  さて、私は今年度、経済労働委員会に属していることから、今回の質問は産業政策の面ではなく、環境政策の観点から、愛知が目指す自動車環境対策について伺ってまいります。  環境省の総合環境政策のホームページによりますと、今年八月三十一日現在、ゼロカーボンシティ・脱炭素都市、これは再生可能エネルギー等によって稼働される都市であり、二酸化炭素の排出量が実質ゼロとなり、温室効果ガス排出において地球に害を及ぼさない都市のことを示しているとされております。全国で四百四十四の地方自治体の首長が表明をし、愛知県内でも豊田市、岡崎市など十三の市町が表明をしています。  私はこのゼロカーボンシティの表明に対しましては、国の二〇五〇年へのロードマップが示されていない状況で、ややもすると、企業・産業活動に制約を来すおそれを心配しています。宣言と二〇五〇年までの施策、工程表、ロードマップをセットで公表したほうがより現実的であると考えるからであります。  そんな愛知県は、世界的な自動車産業の集積地であるとともに、高速道路など道路・交通ネットワークの結節地としての優位性があることから自動車保有台数が全国第一位で、自動車や人や物の移動手段として、産業活動や日常生活に果たす役割はとても大きい地域であります。  このため、二〇〇二年度に全国に先駆けてあいち新世紀自動車環境戦略を、二〇一二年度には引き続きその戦略を見直してあいち自動車環境戦略二〇二〇を策定し、窒素酸化物及び浮遊粒子状物質、いわゆるNOX、PMといった大気環境等の改善やCO2の排出削減などの自動車環境対策に取り組み、この戦略期間中、二〇〇三年度からは、全国の自治体で始めてFCVを公用車として導入し、通常業務や県民向けの環境学習の教材として活用するとともに、二〇一四年度には初代MIRAIを、二〇二〇年度にも新型MIRAIをそれぞれ発売と同時に公用車として率先導入し、FCVの普及促進、啓発に努めております。  また、二〇〇九年度からは、電力会社や自動車会社、充電器会社、小売業者、市町村などの関係者で構成するあいちEV・PHV普及ネットワークを設立し、EV、PHVの需要創出や充電インフラの整備促進などの取組を進めてきたところであります。  こうした取組の結果、県内のEV、PHV、FCVの総保有台数は全国一位であり、充電インフラや水素ステーションの整備も進みつつありますが、県内全体の排出量の約二割に当たる運輸部門からの温室効果ガスは、その大部分が自動車からの排出が占めているため、削減が進んでいない状況であります。  このような状況下の中、CASEなどの技術革新により、自動車産業が百年に一度と言われる大変革期にある中で、自動車からの温室効果ガス排出削減を強く進めていくことが求められており、世界的な自動車の電動化や将来的な脱炭素社会を見据えたEV、PHV、FCVの普及加速を図ることが必要であり、そのような中、愛知県は、今年、二〇二一年三月に、あいち自動車ゼロエミッション化加速プランを策定されました。  このように、自動車に係る環境対策が進む中、以下、三点について順次伺ってまいります。  一点目として、これまでの取組について伺います。  愛知県として、従来より大気環境を改善し、環境基準を達成、維持するため、自動車NOX・PM総量削減計画により、自動車環境対策について、多岐にわたり様々な取組を進めてきたことと思います。  そこで、まず、これまでの自動車環境対策の取組と、その成果についてどう認識されているのか伺います。  そして、二点目として、運輸部門の温室効果ガス排出量の削減についてですが、二〇五〇年カーボンニュートラル達成に向けて、ますますその取組が求められているところであります。
     今年二月議会では、西久保ながし県議の質問に対しまして、EV、PHV、FCVの普及については、三月にあいち自動車ゼロエミッション化加速プランを策定し、二〇三〇年度に新車販売割合を三〇%にする目標を掲げ、課税免除制度の延長や車両購入費用の助成を引き続き取り組んでいく旨の答弁がありました。  こうした取組により、着実にカーボンニュートラルに向けて進んでいくとは思いますが、近年、ライフサイクルアセスメントということも将来的な課題として挙げられております。  このライフサイクルアセスメントは、自動車の走行時に排出される温室効果ガスに加え、燃料製造、自動車の製造、再生利用、廃棄等の各段階を通じた温室効果ガスの総排出量、その他の環境への負荷についての総合的な評価であります。  現状では、EV、PHV、FCVの走行時にはCO2は排出いたしませんが、走行に必要な燃料、エネルギーの製造段階や、自動車の材料、部品、電池の製造時にCO2を排出すると言われております。材料や部品の生産から車両の製造、走行、廃棄に至るまで脱炭素化をしていくためには、再生可能エネルギーなど、脱炭素電源の導入拡大が必要となります。  こうした中、今年六月には地球温暖化対策の推進に関する法律が改正をされ、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を踏まえた基本理念の新設とともに、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画、認定制度の創設、都道府県の計画に再エネ導入目標等の記載を義務化などが規定されました。今回の法改正の概要については、この七月に開催されましたあいちカーボンニュートラル戦略会議の中でも触れられ、共有されているものと承知をしています。  そこで、愛知県としてこの法改正も踏まえつつ、先ほど申し上げましたライフサイクルアセスメントへの対応も含め、今後、あいち自動車ゼロエミッション化加速プランにどのように取り組んでいくのか伺います。  最後に、三点目としまして、将来の自動車環境対策につなげるため、燃料電池車等の普及に向け、多くの水素を作り出すための長期的な政策、戦略について伺います。  先ほど触れましたFCVの普及への課題として、車両価格が高いことや、水素を充填するステーションが少ないことが挙げられていますが、もう一つの課題として、そもそも水素自体が高いとも言われております。  水素価格は、補助制度を活用して、一キロ千円とも言われ、フル充填で五キロとも言われております。FCVを普及させるには、この水素価格を最低三分の一に引き下げるために、多くの水素を確保することが重要であると考えます。  例えば、国土交通省が取り組んでいる、名古屋港も含めたカーボンニュートラルポートは、国際交流の結節点、産業拠点となる港湾において、水素、アンモニア等の次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用等を図るとされていますが、もう一つの観点として、様々な視点で水素を作ることで、価格を引き下げることにつながると考えます。  記憶に新しいところでは、自動車耐久レースで地熱から水素を作り出し、燃料として活用したことに表されるように、多方面から水素が作れることであります。現在、水素の製造として太陽光、風力、地熱、水力等がありますが、加えて、焼却するごみからガス化を図りながら水素を製造する技術を様々な企業や研究機関が検討していると聞いております。  先日公表されました愛知県ごみ処理広域化・集約化計画(二〇二一年度~二〇三〇年度)の案では、今後のごみ焼却施設の集約を行うとのことでありますが、単にごみを焼却する考えから、例えば、メタン発酵によるガス化によりメタンガスを取り出し発電したり、メタンガスからガス改質を行い、水素を作り出すことも可能であると言われております。  このように、様々な分野、手法で電気や水素を作ることによりサプライチェーンが広がり、燃料電池車両への活用も期待されることから、将来の自動車環境対策につなげるため、ごみ処理においても脱炭素社会、カーボンニュートラルを見据えたエネルギーへの対応を検討すべきと思いますが、御所見を伺います。  以上、質問の一点目を終わります。  次に、質問の二点目として、コロナ禍による県職員への影響について伺います。  昨年から日本のみならず、世界を震撼させている新型コロナウイルス感染症は変異株が次々と現れ、感染の拡大と終息、緊急事態宣言の発出と解除が繰り返され、自治体職員には休む暇がないと言われております。  愛知県は、大村知事の強いリーダーシップをはじめ、以前、衆議院議員時代の厚生労働副大臣等の幅広い人脈を生かした対応、取組により、東京都、大阪府と比べ死者、重症者数は少ない状況であり、その成果は大いに評価できると感じております。  しかし、知事の的確な判断に加えまして、その指示を受け遂行した県職員の並々ならぬ頑張りも忘れてはならないと考えます。例えば、感染者への対応、経済の再生及び事業継承、感染防止に向けた飲食店への活動、また、学校現場では一斉休校となり、再開後も感染症対策など、コロナ禍により、今までに経験したことがない働き方になっていると感じます。  この九月定例議会で、今年度に入り十回目の議会となりました。私の事務所から県庁へは一時間ほどかかり、毎日登庁することができないことから、議案書を確認するため、何回か休日に資料を取りに来たことがありますが、来るたびに庁舎内の電気が多くついております。  このように、休日及び深夜に県庁内に多くの電気がついていることを考えると、残業はきちんとついているのか、きちんと休みが取れているのかなど、働き方は大丈夫なのかという思いがあります。  先日の愛知県議会新型コロナウイルス感染症対策特別委員会では、感染者が急増したこの八月には、過労死ラインと言われている月八十時間以上の時間外労働をした県保健所職員は八十二人いたとされ、中には、百時間を超えた職員も多数いたとされました。  よく公務員は公僕と言われ、公僕としての使命感や仕事の社会的意義を持ち、士気を鼓舞してモチベーションを高めていると言われていますが、このような精神論だけでは限界があると思います。  さらに、残念なことは、一部の心ない方で、コロナ禍において職を失った人や収入が減少した人から見ると、公務員だから当たり前であると思われている人も少なからず存在しているのではないかと感じていますが、私は別問題であると考えます。私は、県の職員の皆さんが元気で健全に働ける環境がなければ、よい県民サービスが提供できないと感じるからであります。  今後、なかなか終息が難しいと言われているコロナ禍において、従来にない多種多様なさらなる県民サービスが求められてくる中、今までに感じたことがない肉体的、精神的な負荷が生じてくると感じます。  このような状況下の中、コロナ禍により県職員の働き方への影響についてどのように把握し、今後どう取り組んでいくのか、以下、二点について伺ってまいります。  初めに、一点目として、感染症対策局をはじめとした知事部局職員の時間外勤務について伺います。  先ほどより申し上げております休日や深夜でのこの県庁内においては、絶えず電気がこうこうとついている状況を考えると、職場では、コロナ禍の対策としての助成金の申請受付や各種啓発活動、その他もろもろの事務作業に忙殺されていないか、また、恒常的な長時間労働に加え、働いた時間を正しく申請していないといった、不適切な時間管理が半ば公然と行われていないか、職員の働き方は大丈夫なのかと心配になります。  また、今年六月には、「愛知県 新型コロナ対策の職員二十九人 上限を超える時間外労働」という報道もありました。これは、昨年度、感染症対策局に在籍した職員のうち二十九人が時間外勤務の上限規制に当たる年間七百二十時間を超える時間外労働を行ったというものであります。  また、感染症対策局以外にも、例えば、感染が増加する感染症対策への対応で、感染症対策局にそれぞれの部局から人的応援をしていると聞いています。  しかし、人的応援に対応した部署では、出張や研修等の見直しなど業務改廃はしているものの、長期にわたり人的応援が続く中、従来の仕事量を残された職員で行うということで、結果的に長時間労働を行った職員は多くいるのではないかと思われます。  このような中、コロナ禍における二〇二〇年度の職員の時間外労働について、二〇一九年度と比較してどのような変化があり、県としてどう捉えているのか伺います。また、コロナ禍により、例えば、メンタルの休職状況についてどう認識しているのかについてもお答えください。あわせて、不適切な時間管理にならないよう、職員の時間外労働を適切に管理するため、どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、二点目として、職員の配置について伺います。  県では昨年五月に感染症対策局を設置した後も、八月には疫学調査や医療・検査体制を拡充するため、医療体制整備室を、十月にはコロナ専門病院として愛知病院を設置いたしました。さらに、一月にはワクチン接種体制整備室を設置するなど、その時々の課題に対応するため、組織体制を強化してまいりました。  ウイルスは日々変化すると言われ、これまでもアルファ株をはじめ、現在ではデルタ株など、今後、長期戦になると言われております。コロナ禍への対応において極めて繁忙度が高い感染症対策業務を遂行するため、これまでの職員配置や業務分担の見直しなど、新型コロナ対策関係において、どのような取組を進めてきたのか伺います。また、コロナ禍の先行きが見通せない中、職員への負荷の軽減に向けて、今後、どう取り組んでいくのか伺います。  最後に、今回は知事部局職員のコロナ禍による働き方への影響を質問いたしました。私は同じ愛知県採用である教職員や警察部門も同様なことが起きていないかとも考えております。  教職員においては、そもそも多忙化であり、それを解消するための計画も策定しましたが、いまだ解消に向けた出口が見えない中でのコロナ禍への取組であります。  また、警察においても、留置した容疑者が陽性患者であることから、集団感染、クラスターも発生をいたしました。さらに、ある県においては、警察署の職員全てが自宅待機になったとされております。当然、他の署からの応援等で対応されたと思いますが、かなりの負荷が増えたと思います。  繰り返しになりますが、いま一度、各部門において検証いただくことを期待し、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 16: ◯環境局長岡田守人君) これまでの自動車環境対策の取組とその成果についてお答えいたします。  いわゆる自動車NOX・PM法に基づく総量削減計画と一体となったあいち自動車環境戦略二〇二〇を二〇一二年度に策定し、車種規制非適合車の使用抑制の推進や、自動車排出ガスの最新規制適合車の普及など、様々な主体が連携、協働して各種施策に取り組んでまいりました。  さらに、自動車NOX・PM法による規制のほか、本県独自に要綱を策定し、法律でその使用が規制されていない地域からの貨物または旅客運送事業者等の流入車も含めて車種規制非適合車を使用しないよう、事業者に要請してまいりました。  その結果、二酸化窒素は二〇一四年度から、浮遊粒子状物質は二〇一六年度から継続して、県内全ての測定局で大気環境基準を達成しているところでございます。  今後も引き続き、国など関係機関と連携しながら、大気環境基準の確保に資する総合的な自動車環境対策に取り組んでまいります。  次に、あいち自動車ゼロエミッション化加速プランの取組についてお答えいたします。  国際エネルギー機関(IEA)が昨年六月に公表した電動車に関する年次報告書によりますと、車両の製造時などで排出されるCO2排出量は、走行用バッテリー、水素タンク、燃料電池の製造時の負荷が多く、EVではエンジン搭載車よりも約五七%、FCVでは約六三%も多く排出されることが示されております。  その一方で、自動車の製造から利用、廃棄までのライフサイクル全体を通じたCO2排出量は、EVでは約二九%、FCVでは約二〇%、エンジン搭載車より少ないと報告されております。  これは、エンジン搭載車の場合、走行時に消費する燃料からのCO2排出量が自動車のライフサイクル全体の八割を占めることに起因するものであり、走行時のCO2排出量の削減が重要となります。  あいち自動車ゼロエミッション化加速プランでは、燃料、エネルギーの製造段階から実際に走行する段階までのCO2排出削減によるゼロエミッションの実現を目指しております。  既に普及段階にあり、燃費性能に優れたハイブリッド自動車は、当面、自動車のCO2排出量削減を牽引するものと考えておりますが、燃料が化石燃料である以上、それだけではゼロエミッションは達成できません。  一方、EV、PHV、FCVは、今後の普及拡大に加え、再生可能エネルギーを用いた発電や水素製造によってエネルギーの脱炭素化を同時に進めることにより、自動車のライフサイクル全体でゼロエミッションを実現できる可能性があります。  本県といたしましては、EV、PHV、FCVの普及加速に主眼を置くと同時に、再生可能エネルギーの普及拡大によるクリーンな燃料、エネルギーの確保について国への働きかけを行い、自動車のライフサイクル全体でのCO2削減を促進してまいります。  最後に、ごみ処理の過程における脱炭素社会を見据えたエネルギーへの対応についてお答えいたします。  本県でも主に家庭から排出される生ごみなどの可燃ごみについて、市町村及び一部事務組合が三十六の施設で焼却処理を行っております。これらのごみ焼却施設では、得られた熱エネルギーを有効利用するため、約七割の施設で発電を行っており、二〇一九年度の総発電量は六十一万八千メガワットアワーと、一般家庭十六万九千世帯分に相当しており、化石燃料による二酸化炭素排出量の削減に寄与しております。  現在取りまとめ中の愛知県ごみ処理広域化・集約化計画では、ごみの排出抑制とリサイクルの推進を前提とした施設の統合など、安定的、効率的な施設整備を進めることで、将来にわたって廃棄物の適正な処理体制を維持するとともに、施設の省エネルギー化、発電及び熱回収によるエネルギーの創出、そして廃棄物由来のバイオマス資源の利活用などにより、地球温暖化対策の推進を図ることとしております。  こうした中、県内においては、公的施設である豊橋市のバイオマス利活用センターや幾つかの民間施設で、生ごみなどのバイオマス資源からメタンガスを取り出し発電する取組が始まっております。  このような施設から発生するメタンガスの利活用は、エネルギーの地産地消にも貢献することが期待できますが、一方で、分別方法の煩雑さや、メタン発酵に適さないごみ、発酵残渣の処理などの課題があり、その利用に当たっては、効果とコストの比較や地域特性などを考慮した上で、十分に検討を行っていく必要があります。  脱炭素化に向けては、再生可能エネルギーの普及とともに、水素利用の促進を図ることが不可欠であり、こうした意味からも、廃棄物に含まれるバイオマス資源の利活用は重要な課題であると考えておりますので、引き続き各市町村とも連携しながら検討してまいります。 17: ◯人事局長川原馨君) コロナ禍による県職員への影響についてのお尋ねのうち、初めに、知事部局職員の時間外勤務の状況についてお答えいたします。  職員一人当たりの年間の時間外勤務は、二〇一九年度の百五十六・八時間から二〇二〇年度の百五十二・六時間へと僅かに減少しているものの、過去十年間では、豚熱の対応等により最多となった二〇一九年度に次いで二番目に多くなっております。  また、御指摘のありました年間七百二十時間を超えて時間外勤務を行った職員は、二〇一九年度は二十四人でありましたが、二〇二〇年度は七十二人と大幅に増加しており、五十六人は新型コロナウイルス感染症の業務に従事した職員となっております。  これは、新型コロナウイルス感染症対策が特に緊急性が高く、かつ、長期にわたり新たな業務が断続的に発生したことなどによるものと認識しております。  次に、メンタルヘルス不調による休職者につきましては、二〇二〇年度は四十六人で、二〇一九年度の六十三人と比較して減少しておりますが、コロナ禍で職員の負担も増す中、メンタルヘルス相談の早期活用の働きかけや、長時間勤務者に対する医師による面接指導など、メンタルヘルス不調を予防するための対策に引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、時間外勤務の管理についてでございます。  二〇一九年度に導入しました時間外勤務の上限規制を踏まえ、その遵守に向けて所属長を対象とした研修等を実施するとともに、職員の勤怠管理を行う総務事務システムにおいて、時間外勤務の当月の時間数や年間累計等を表示させ、現状を確認した上で事前命令、事後確認を徹底させることにより、時間外勤務の適切な管理に努めております。  さらに、長時間勤務者のいる所属長等に対するヒアリングを実施し、職員の健康状態等を確認するとともに、各局と連携を図りながら業務の合理化や効率化を促すなど、職員の時間外勤務の実態をきめ細かく把握した上で、その縮減とより適切な管理に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、コロナ禍に対応した職員の配置についてお答えいたします。  今年度は、保健医療局や感染症対策局において、年間を通じて必要な人員として二百三十五人の専任職員を増員するとともに、感染状況の変化に応じて業務量が変動したり新たな業務が発生する場合には、庁内各局から幅広く応援職員を配置することとしております。  応援の実績としましては、例えば、ワクチン接種を加速化する大規模集団接種会場を設置、運営するため、三十一人の職員を追加配置いたしました。また、第五波によって感染が拡大した八月中旬以降、県内の十一保健所に計百四人の事務職員を急遽増員して、自宅療養者の療養支援体制を拡充するなど、これまでに延べ四百人を超える応援職員を配置し、機動的かつ効果的な対応に努めてまいりました。  なお、応援体制の構築に当たり、本庁と地方機関、あるいは職級、職種にとらわれることなく、庁内各所属から幅広く人選するとともに、おおむね二か月という一定の期間で交代させることにより、特定の職員や所属に過度な負担をかけずに、かつ業務の継続性を確保しながら、新型コロナウイルス対策業務に従事できるようにしております。  また、職員の負担軽減や業務の合理化の方策として、多忙化した保健所において、薬剤師や保健師など専門職の業務の一部を切り出して、増員した事務職員に担当させたり、ワクチンの大規模集団接種会場や軽症者等宿泊療養施設の運営業務を民間事業者等に委託するなどの取組を進めております。  今後とも、新型コロナウイルス感染症対策を迅速かつ適切に講じられるよう、引き続き、感染症対策局をはじめ関係局の業務量や庁内各局の状況を的確に捉えて職員を機動的に配置するとともに、委託化を含めた業務の進め方の見直し等によって職員の負担軽減も図りながら、全庁を挙げた対応を進めてまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 18: ◯四十一番(南部文宏君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 19: ◯副議長近藤裕人君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 20: ◯副議長近藤裕人君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時十分開議 21: ◯議長坂田憲治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  村瀬正臣議員。     〔十一番村瀬正臣君登壇〕(拍手) 22: ◯十一番(村瀬正臣君) 江南市選出の村瀬正臣でございます。それでは、一般質問を始めさせていただきます。  初めに、教員の多忙化解消についてでございます。  午前中に我が党の日高議員が部活動の在り方につきましては質問されましたので、かぶらないように質問をさせていただきたいと思います。  二〇一九年度の勤務時間外の在校時間が月八十時間を超える教員の割合は、小学校で六・九%、中学校で二三・九%、高等学校で九・二%、特別支援学校で〇・四%となり、取組に一定の成果はありましたが、教員の多忙化解消プランで掲げた目標の二〇一九年度までに在校時間が月八十時間を超える教員の割合について〇%とするプランの目標には至りませんでした。まだまだ多くの教員の先生方が勤務時間外に在校している状況にあります。  海外から日本の教員の現状と課題を見てみますと、OECD加盟国四十八か国、経済協力開発機構の国際教員指導環境調査(TALIS)は、教員、校長、学校の学習環境に関する大規模な国際調査であり、調査報告は公立、私立の中学校、中等教育学校前期課程の教員と校長に関する調査結果を示しています。  主な調査結果を見てみますと、教員の仕事時間については、小中学校ともに日本の教員の一週間当たりの仕事時間の合計は参加国の中で最長であり、中学校教員は課外活動の指導、例えば、放課後のスポーツ活動や文化活動の時間が特に長くなっています。また、小中学校ともに一般的な事務業務──教員として行う連絡事項、書類作成その他の事務業務を含む──が長い傾向にあるほか、学校内外で個人で行う授業の計画や準備、学校内での同僚との共同作業や話合い、学校運営業務への参画に従事した時間も長い結果となっております。  日本の教員の一週間当たりの仕事時間は、小学校が五十四・四時間、中学校が五十六時間と参加国の中でトップであり、平均の三十八・三時間を大きく上回る状況にあります。他国と比較しても、日本の教員の長時間勤務の実態がうかがえます。改めて、教員の業務の見直しが必要であると思います。  さて、公立学校の教員は、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法及び関連政令、条例により、時間外勤務手当が支給されていないことは御存じのことと思います。その代わりに、給料月収の四%に相当する教職調整額が一律に支給されています。  この教職調整額は、昭和四十一年度に文部省が実施した教員勤務実態調査において、一週間平均の超過勤務時間が小学校で一時間二十分、中学校で二時間三十分、平均で一時間四十八分であったことを根拠に定められており、現在の教員の勤務実態とは大きくかけ離れています。五十五年もの歴史のある、私が生まれる前の制度がいまだに適用されている状況にございます。  さて、二〇二一年二月には、本県教育の取組の方向性を新たに示したあいちの教育ビジョン二〇二五 ─第四次愛知県教育振興基本計画─、──以下、あいちの教育ビジョン二〇二五といいます──が策定されました。二〇二一年度から二〇二五年度までの五年間での七つの基本的な取組の方向と、今後、取り組むべき三十の取組の柱と施策について記されております。  その中で、取組の柱二十五、学校における働き方改革の現状と課題、施策の方向では、教員の長時間勤務や過密労働が注目され、教員採用選考試験の志願倍率の低下が続いています、意欲と能力ある人材が教職を志すことがなくなり、資質の低下が危ぶまれています、心身の健康の保持の観点からも、学校教育の水準の維持の観点からも、教員の長時間勤務是正は、待ったなしですと記述があり、そして、施策の展開の二、業務の精選と切り離し・外部人材の活用では、学校が担ってきた業務を見直し、必ずしも学校が担う必要のない業務を切り離し、地域活動への移行や外部委託化を進めます、専門スタッフの学校への配置の一層の推進を図りますとあります。  そこでお伺いいたします。  文部科学省では、学校給食費徴収・管理に関するガイドラインを策定し、二〇一九年七月に公表するとともに、全国の地方自治体に対し、本ガイドラインを適宜活用して、公会計化を推進するよう通知がされました。  また、二〇二〇年十一月四日、文部科学省の報道発表資料によりますと、文部科学省では、教員の業務負担軽減等の観点から、学校給食費については、地方公共団体の会計に組み入れる公会計制度を採用するとともに、徴収・管理を学校ではなく地方公共団体が自らの業務として行う──以下、公会計化等といいます──ことを一層推進いただくようお願いしているとあります。  学校給食費の公会計化等の実施・検討状況を都道府県別に見てみますと、二〇一九年十二月一日時点で、公会計化等を導入している、導入の準備をしているが愛知県では三八・二%であり、最も割合が高かったのが群馬県の九二%であります。全国平均も五七・一%であることから、平均値を下回っている状況にあります。  ここで、文部科学省が公表している先進事例の取組の一つを紹介しますと、人口約七万人の標準自治体である長野県塩尻市では、導入時は学校給食費の徴収、管理に特化した業務システムをリース契約で導入、一年間では約百七十万円、その後、複数の自治体が共同でシステム構築することで一年間で約百万円になり、極めて安価にシステム導入、運用ができています。
     また、公会計化の効果として、教職員の事務量で一か月当たり約三日から四日分の減少、精神的負担の軽減や食材の安定的な確保、会計事務の透明性の向上、納付の利便性の向上等につながったと紹介をされております。  このように、先進事例の取組からも、教職員の負担軽減の効果が見込める公会計化等を後押しすることも必要だと考えますが、県教育委員会として、文部科学省の報道発表以降、県内市町村教育委員会に対し、どのように働きかけをしていくのか、お伺いをいたします。  続いて、小学校での教科担任制の本格導入、外部人材の活用についてであります。  二〇二一年七月二十一日、文部科学省の有識者会議より、小学校高学年からの教科担任制の在り方について、外国語、理科、算数、体育の四教科を優先的に専科指導の対象とする報告書案の公表がありました。二〇二二年度を目途に、小学校高学年からの教科担任制を本格的に導入する必要があるとされたことから、二〇二二年度の予算の概算要求を見据えて、報告書案がまとめられました。  小学校高学年に教科担任制が導入されれば、授業の質が向上し、学習内容の理解度や定着度の向上が期待され、多忙を極める担任教師にとっても、担当する教科の授業以外に空き時間ができれば、他業務の準備時間に充てることもでき、働き方改革にもつながると考えます。  また、あいちの教育ビジョン二〇二五の取組の柱五、理数教育の推進の現状と課題、施策の方向では、社会を大きく変化させているICTやAIといった科学技術の多くは、高度な理数教科の学問によって支えられています、しかしながら、全国学力・学習状況調査の結果によると、本県の小中学生が、算数・数学の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思うと答えた割合は、全国平均を下回っている状況にあり、理科においても同様の傾向となっています、また、本県は、自動車産業、航空宇宙産業等のものづくり産業を基盤に発展し、今後も、ロボット産業等、新たな科学技術イノベーションの起爆剤となるスタートアップの創出を目指していることから、これらの産業を担う人材の育成は重要な課題です、こうした現状等を踏まえ、興味・関心を起点として主体的に課題を解決していく学習や探求型学習を進めるとともに、STEAM教育やスーパーサイエンスハイスクールなどの取組、大学や企業と連携した取組、理数科・理数コースの設置を進め、理数教育をさらに充実させていきますと認識されております。  施策の展開では、小中学校でのプログラミング教育を積極的に進めるとともに、算数・数学科や理科と関連づける活動を取り入れ、児童生徒の論理的思考力を育てます、小学校の理科の授業を充実するため、教科担任制の導入や理科実験補助員の配置を進めますとあります。  また、取組の柱二十三、外国語教育の充実、施策の展開においても、ICTの活用や民間企業と連携し、児童生徒の個々の能力に応じた学習の在り方の研究を進めるなどして英語教育改善の取組を進めますと施策の方針が明確に記述されております。  なお、本県では、二〇一八年十月にAichi─Startup戦略を策定し、二〇二四年十月の供用開始を目指すSTATION Aiでは、この地域の優秀なスタートアップを育成し、新たな付加価値を創出させる総合的拠点として、整備と推進を目指しております。  また、経済産業省によると、二〇三〇年にIT人材は百五十八万人必要となるが、このままでは四十五万人足りなくなると言われております。  以上のことからも、本県のモノづくり産業を担う人材や日本のデジタル化を支えるIT人材を育成するためには、今よりも質の高い理数教育を推し進めるとともに、民間企業等の専門的知識や経験を生かしたプロフェッショナルな人材の活用や、小学校における教科担任制の導入は有効な取組であると考えます。  特に教科担任制については、国においても専門性の高い教科指導や教員の持ち時間数の軽減を図るなど働き方改革を進めるため、二〇二二年度からの本格導入を目指しております。  そこで、小学校高学年における教科担任制について、本県の現状と県教育委員会としてのお考えをお伺いいたします。  次に、教員の多忙化解消プランについてです。  教員の多忙化解消プランは一定の成果はあったものの、掲げた目標は達成されず、二〇二〇年度末をもって計画期間が終了されましたが、国の方針に基づいて、二〇二〇年七月に制定、策定した愛知県立学校の教育職員の業務量の適切な管理等に関する規則及び方針において、勤務時間外の在校等時間の上限を一か月四十五時間、年間三百六十時間と定めたことから、二〇二一年度以降は、これらの規則及び方針に基づいて、学校における働き方改革に関する取組を推進されています。  また、本年六月十七日付で、県教育委員会より各市町村教育委員会宛てに、学校現場における業務改善アンケート──以下、業務改善アンケートといいます──が依頼され、これは先行している取組の実践事例を収集するための業務改善アンケートであり、その中で、所管する学校に対する業務改善方針・計画等──業務改善目標を含む──を策定していますかの項目の問いには、名古屋市を除く五十三市町村のうち、策定していないが二十七市町村と、約半分の自治体で業務改善計画がない状況にありました。  このような中で、教員の多忙化解消に向けて、業務改善アンケートをどのように活用していくのか、また、業務改善アンケートにより把握した市町村で先行して行われている実践事例をどのように周知し、取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  次に、二〇二一年四月には、国の上限指針に従い、県の上限規則、上限方針が施行されるとともに、五月には、期間が満了した教員の多忙化解消プランに代わり、県立学校における働き方改革ガイドラインが策定されたところであります。  上限規則、上限方針に定められた月四十五時間、年三百六十時間という目標は、教員の多忙化解消プランにおける目標であった月八十時間より厳しくなっていますが、二〇二一年四月からの教員の時間外在校等時間の実績と、その目標を達成するために、今後どのような取組をされていくのか、お伺いをいたします。  続きまして、新規就農者、農地活用についてお伺いをいたします。  農林水産省が二〇二〇年に発表した農林業センサスによりますと、農業を主な仕事とする基幹的農業従事者は百三十六万三千人で、二〇一五年の前回調査と比べ、三十九万四千人、二二・四%の減少でした。  また、個人経営体の農業従事者のうち、六十五歳以上が占める割合は六九・五%となり、五年前に比べ四・七ポイント上昇し、高齢化が進んでおります。  愛知県におきましては、農業経営体数は二万六千八百九十三経営体で、二〇一五年の前回調査に比べ、九千百八十一経営体、二五・五%と大きな減少となっております。  農業従事者は四万百五十九人で、前回に比べ一万五千二百八十九人、二七・六%と、こちらも大きく減少し、従事者の減少率は全国平均を上回る状況でありました。  そのうち、六十五歳以上が占める割合は六五・八%で、前回調査と比べ二%の増であり、本県も農業経営体従事者の減少、高齢化が進んでいる状況にあります。  担い手不足や高齢化という深刻な問題を軽減するため、新規就農者を増やすことは、本当に簡単ではないということは、農林業センサスの調査結果からも認識されるところであります。  特に、個人での新規就農は、農業を行う知識の習得や経験に加え、耕作する農地の確保、そして設備などの初期投資の大きな負担や、サラリーマンのように定期的な休みが取れないなどのイメージが先行している中で、脱サラをしてまで農業の世界に飛び込む人は、本当に数えるほどしかおみえにならないと思います。  現在、国の支援制度として、農業次世代人材投資資金など、就農前と就農直後の経営確立を支援する資金制度はあります。また、新規就農者は、経営開始に当たって必要な資金を補う支援策として、国の強い農業・担い手づくり総合支援交付金があります。  この強い農業・担い手づくり総合支援交付金の対策ポイントとしては、産地の収益力強化と担い手の経営発展のため、産地、担い手の発展状況に応じ、必要な農業用機械、施設の導入を切れ目なく支援し、地域の農業者の減少や労働不足等、生産構造の急速な変化に対応するため、生産事業モデルや農業支援サービス事業の育成を支援されるものであります。  そして、このメニューの中には、地域担い手育成支援タイプという補助メニューがあります。各市町村の策定する人・農地プランに位置づけられた中心経営体や、今後の地域農業の在り方を実現可能であると判断できる農業者またはその団体が対象になります。  内容は、認定新規就農者等に対して、トラクターやコンバインの農業用機械の取得や、ビニールハウスの整備費、農地等の造成などを事業対象として、事業費が五十万円以上で、融資を受けるなど一定の要件を満たすことで、事業費の三〇%、最大三百万の補助金が交付されるものであります。  この制度は、資金力のない新規就農者にとっては本当にありがたい国の事業でありますが、本県における二〇二〇年度の実績は、五市七件の事業を国に要望しましたが、三市四件分について国の交付決定を受け、事業を実施したと聞き及んでおります。新規就農者が増えない中においても二市三件が不採択という、残念ながら狭き門の交付制度でございます。  私の地元江南市からも、認定新規就農者お二人の方が二件の事業申請をしたと聞いておりますが、残念ながら二件とも不採択ということで、悲しい結果となったと聞いております。  この認定新規就農者とは、原則十八歳以上四十五歳未満の方、または農業に知識のある方、これらの条件を満たす役員が半数を占める法人で、就農から五年以内で計画を立案し、市町村に申請し、認定されたものであります。地元江南市では、令和三年八月末時点で十名の方が認定されたと聞いておりますが、現在までに県内で認定新規就農者に認定された経営体は幾つあるのか、その定着率はどれくらいかお伺いをいたします。また、県として、就農者の減少と高齢化が進む中、新規就農者に対する支援策をどのようにお考えなのかについてもお伺いいたします。  次に、農地の活用についてお伺いをいたします。  草が繁茂する農地ばかりでなく、全く手のつけられない雑木が生い茂る荒廃農地も少なくはありません。  二〇二一年一月に農林水産省農村振興局が全市町村を対象に行った荒廃農地対策に関する実態調査では、荒廃農地の状況は、五年後どうなっているかの質問に対し、増加していると回答した市町村は七三%となっております。市町村の意識として、荒廃農地の拡大が急速に進んでいくという結果が出ております。  こうした状況を踏まえ、国においては、本年五月に人・農地など関連施策の見直しを取りまとめ、幅広く検討を行っているところであります。  人・農地など関連施策の見直しとは、農業経営を行う人の確保と農地の適切な利用の促進、農村における所得と雇用機会の確保等を図るための施策の在り方についてで、人・農地プラン、農地バンク等、農村における所得と雇用機会の確保など十一項目について、施策の方向が示されています。  その中で、農地に関する施策としては、農地バンク等による貸借のさらなる活用に向けて、都道府県、農業委員会、市町村等の関係機関の活動について、共通の具体的方針に基づいて能動的なアプローチへの転換を進めるなど、新しい方針も示されています。  また、人・農地プランについても、地域が目指すべき将来の具体的な農地利用の姿を目標地図として明確化するなどとされています。  地元江南市の実質化された人・農地プランを見てみますと、江南市内には五百九十六ヘクタールの農地がありますが、プランの対象となっている市内の耕地面積は約八割に当たる四百九十一ヘクタールで、残り二割は農地利用の将来の方針が立てられていない状況であり、耕作されていない土地の拡大が目立つ結果となっております。  また、耕作をされている農地のうち、七十五歳以上の農業者の耕作面積が三四%を占め、そのうち約七八%が後継者未定という現状からも、近い将来には耕作されない土地の拡大が急速に進んでいくことが懸念されます。  二〇一五年の農林業センサスの耕作放棄地面積比率も県一一・一%に対し、江南市は三一・八%と耕作放棄地は多い状況にありますが、その要因の一つとして、土地改良事業は終了しておりますが、一筆当たりの農地面積が比較的狭いことから、効率的な耕作がしにくい条件であることが挙げられます。  分散した狭い農地面積では、農業用機械を利用しにくく、農地を集約化し、効率よく耕作できる農地にすることで、土地の有効利用が図られることが期待できます。そのためには、市内に分散した農地をまとまりある形で農業の担い手に貸し付ける農地中間管理事業は有効であると考えます。  今後、さらに農地の集積・集約化に取り組んでいく必要があると思いますが、本県における農地中間管理事業の活用実績や、地域によって異なる農地集積の状況はどのようになっているのか、また、今後はどのように能動的に取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  以上、壇上からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 23: ◯教育長長谷川洋君) 初めに、学校給食費の公会計化等をどのように市町村教育委員会に働きかけていくかについてであります。  県教育委員会では、市町村教育委員会学校給食主管課長会議等の場におきまして、文部科学省が作成した学校給食費徴収・管理に関するガイドラインの趣旨を改めて示したり、文部科学省が取りまとめた先行事例を紹介するなどして、公会計化等の促進に努めているところであります。  一方で、文部科学省が昨年十一月に発表した公会計化等の推進状況調査結果では、公会計化等が進まない理由として、業務システムの導入、改修、運用にかかる経費等が支障になっている実態が報告されております。  県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会に対して、給食費の公会計化等に向けてさらなる働きかけを行うとともに、国に対しては機会を捉えて、業務システム導入経費に対する財政措置を働きかけてまいりたいと考えております。  続いて、小学校における教科担任制についてお答えいたします。  現在、県内の小学校においては、高学年の外国語科や音楽、家庭科等の技能系教科を専科教員が授業を担当したり、理科や書写などの教科を教頭や教務主任が学級担任に代わって授業を行っている学校がございます。  小学校における教科担任制の導入は、学級担任だけでは気づけない児童の困り感に複数の教員で対応できるようになると考えております。  また、実験など授業準備に多くの時間を要する理科での導入は、理数教育の質を高める上で、大きな効果があると思われます。  さらに、専門性の高い教科を専科教員が受け持つことや、授業を代替の教員で行うことで、学級担任の負担や持ち授業時間数が軽減されるため、学校における教員の働き方改革にもつながると考えております。  文部科学省は来年度概算要求において、小学校高学年における教科担任制の実現に向け、四年程度をかけて段階的に進めることとしております。  県教育委員会といたしましては、こうした国の動向を踏まえながら、教職員定数の充実も含め、教科担任制の導入を円滑に推進してまいりたいと考えております。  次に、教員の多忙化解消に向けた業務改善に係るアンケートについてお答えをいたします。  県教育委員会では、教員の多忙化解消プランを策定した二〇一七年度から毎年度、各市町村教育委員会に対して、業務改善の取組状況の把握や実践事例を収集するため、アンケートを実施しております。  このアンケートの結果を活用して、会議、研修の精選、出欠管理、成績処理の電子化、小学校運動部活動の廃止、夏季休業中の学校閉校日の設定などの参考となる実践事例を取りまとめ、アンケート結果とともに各市町村教育委員会に還元、周知しているところであります。  今後は、市町村の教育長や小中学校長に対し、会議や研修の場において効果的な取組例を紹介し、実践するよう直接働きかけることによりまして、小中学校における業務改善が一層促進されるよう、支援をしてまいりたいと考えております。  最後に、時間外在校等時間の実績及び目標を達成するための今後の取組についてお答えいたします。  今年四月から七月末までの間の時間外在校等時間が四十五時間を超えている教員の割合は、小中学校では五〇・三%、県立学校では二二・七%でございました。  今後は、本年五月に策定をいたしました県立学校における働き方改革ガイドラインに基づき、長時間勤務縮減の取組を積極的に進めてまいります。  具体的な取組といたしましては、今年度から県立学校で導入した出退勤管理システムにより在校等時間を客観的に把握してその分析を行い、学校の業務改善につなげるほか、外部人材の活用や休日の部活動の見直し、教員研修のICT化などによりまして教員の負担軽減を図り、質の高い教育を持続的に行うための環境を整えてまいります。  さらには、県立学校二校を業務改善モデル校に指定し、学校における労務管理に関する改善方策を民間事業者から提案してもらい、その成果を全県立学校で共有し、新たな視点による労務管理体制の構築に努めてまいります。  また、各学校におきまして、ガイドラインを参考にそれぞれの学校の実情に応じて多忙化解消に向けた取組を実施し、その成果を県教育委員会において集約し、効果的な取組例を周知してまいりたいと考えております。  今後とも、市町村教育委員会等と連携、協力して、県立学校、小中学校における働き方改革を推進してまいります。 24: ◯農業水産局長中根俊樹君) 新規就農者、農地活用についてのお尋ねのうち、初めに、認定新規就農者についてでございます。  認定新規就農者制度は、新規就農者が作成する就農計画を市町村が認定し、支援を行う制度で、有効期間は五年間となっております。  二〇一四年度から始まったもので、本県では二〇二〇年度までの累計で四百七十一経営体が認定されており、県が行った抽出調査の結果によれば、約九五%が就農を継続されております。  次に、新規就農者に対する支援策についてでございます。  就農を希望する方に対しては、今年四月に農業大学校に開設しました農起業支援ステーションや、県内八か所の農林水産事務所農業改良普及課に設置した農起業支援センターにおいて、就農相談や情報提供等を行っております。  農起業支援ステーションでは、県内外から就農相談を受け付け、就農に向けた具体的なビジョンづくりをサポートするとともに、農起業支援センターとも連携して、市町村やJAと協力し、栽培品目の決定や農地の確保などに取り組んでおります。  農業経験が少ない就農希望者に対しては、農業大学校において経営に必要な基礎的な知識や技術などを習得するためのニューファーマーズ研修を開講しております。  また、就農前後の生活を安定したものとするため、研修中は最長二年間、就農後は最長五年間、一人当たり年間最高百五十万円が交付される国の農業次世代人材投資資金や、就農時に必要な機械や施設の導入に対して最大三百万円が交付される国の強い農業・担い手づくり総合支援交付金を活用できるように支援しております。  さらに、県のあいち型産地パワーアップ事業では、新規就農者が構成員に含まれる計画にはポイントを加算し、採択されやすくなるよう配慮をしております。  就農後は、各農業改良普及課において、栽培技術や経営能力の向上を図るための定着支援セミナーを開催するとともに、普及指導員が現場に直接出向いて相談に乗ったり、メールなどでリアルタイムに対応するなど、ソフト、ハード面で手厚く支援をしております。  最後に、農地活用についてでございます。  農地中間管理事業は、農地の貸借により担い手への集積・集約化を進め、農作業の効率化を図り、生産コストの削減を推進する事業であり、本県では公益財団法人愛知県農業振興基金を農地中間管理機構に指定し、二〇一四年度から事業を開始しております。  事業の実績でございますが、農地中間管理機構を介した農地の貸付けは年々増加しており、二〇一四年度からの累計の貸付面積は四千七百七十五ヘクタールとなっております。  こうした取組等により、本県の耕地面積のうち担い手へ集積された面積の割合は、二〇二〇年度末現在で四〇%となっております。  本県の特徴といたしましては、都市近郊や中山間地域では担い手がなかなか見つからない等の事情もあり、集積が伸び悩んでおりますが、西三河地域の平たん部等では基盤整備事業との連携による大区画化が進んでおり、既に六割近くの農地が担い手に集積されております。  国は、担い手への農地の集積・集約化をさらに進めるために、年内に関連施策を取りまとめることとしており、これに沿って、今後、市町村が中心となり、農業委員会やJA等の関係機関と共に、県内各地域において担い手ごとに耕作するエリアをまとめた目標地図を作成する予定です。  県といたしましては、作成されたこの目標地図に基づく農地の集積・集約化の実現に向けて、市町村等の関係機関とより強固に連携して、農地中間管理事業のさらなる活用を進めてまいります。 25: ◯議長坂田憲治君) 進行いたします。  神戸健太郎議員。     〔四十六番神戸健太郎君登壇〕(拍手) 26: ◯四十六番(神戸健太郎君) それでは、通告に従いまして、順次質問を進めさせていただきます。  一番目の質問は、愛知県公式ウェブサイトのデザイン等の改善についてであります。  申し上げるまでもなく、私たちの日常生活、あるいは事業活動において、インターネットは必要不可欠な存在となっています。  特に、現在のコロナ禍にあっては、感染対策やワクチン接種など様々な情報を求めて、今まで以上に多くの方が本県のウェブサイトを訪れています。  また、昨今、頻繁に発生する大規模な自然災害においても、ウェブサイトに求められる役割は大変大きいものがあると思います。  そこで、本県の公式ウェブサイトについて考えてみたいと思います。  本県が公式ウェブサイトを初めて作成しましたのは一九九六年度、今から二十五年前とのことであります。その後、二〇一〇年度にトップページがリニューアルされ、現在のデザインになったと聞いています。  また、後ほど触れますが、県庁内の各所属が掲載内容の作成や、その後の追加、修正などのメンテナンスを直接行うCMS(コンテンツマネジメントシステム)という仕組みが二〇〇七年度に導入されたと聞いています。  本県の公式ウェブサイトは、これまでに様々な改善、改訂を重ねて、現在の姿になっているわけでありますが、現在のウェブサイトを見ていると、分かりにくいと思うことが度々あります。  また、掲載されているページ数は全部で約三万ページあるということですが、欲しい情報のあるページにたどり着くまでに時間がかかり、もどかしさを感じることがあります。  これから申し上げることは皆様もお感じのことかもしれませんが、何点か触れさせていただきます。
     まず、必要な情報にたどり着くのに時間がかかるということにつきまして、例えば、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の内容などは、トップページから新型コロナ特設サイトに入り、県民、事業者へのメッセージに入り、さらにPDFファイルを開いて、初めて具体的な内容にたどり着きます。  情報が階層的になっているのは分かりますが、本県のウェブページは他県と比べて、必要な情報にたどり着くためにクリックすべき項目を見つけにくいという傾向があると思います。  また、文字数が多いために行数が増え、ページが縦に長くなり、かなり下のほうにスクロールしないと、クリックすべき箇所にたどり着けない場合もあります。多くの人が知りたい情報については、できるだけスクロールをしなくても表示されるようにしてほしいと思います。  文字数が多い例を挙げますと、ウェブサイトのデザインにおいて、画面の上部のヘッダー、下部のフッターに加えて、左側、右側にサイドバーというものがあります。本県のウェブサイトでは、情報の分類をカテゴリー、情報の目的を関連コンテンツと表示して、いろいろな入り口から各所属が作成するページに飛べるようになっています。中央には新着情報などが表示されていますが、タイトル名の文字数が多過ぎるために、全体が見づらくなっています。  簡潔にまとめて、二十文字から三十文字くらいで収められたタイトルもありますが、百文字以上の文章のような長いタイトルまであって、サイドバーの中で、タイトルだけで約十行ものスペースを取っている場合もあります。  各ページ内の文字数を多くしているシンプルな例としては、PDFファイルがたくさん並んでいるときに、本県では全てにPDFファイルと表示され、さらに、ファイルの容量が表示されています。場合によっては、ウェブ画面上にこのファイルという片仮名四文字が十か所以上表示されていることもあります。  他県では、PDFという表記だけで、ファイルという文字を省いている事例を多く見かけます。それだけのことですが、画面上の文字数を減らすことでかなり見やすくなるのではないかと思います。  また、タイトル名の最後に、「について」、何々についてという平仮名四文字が多数並んでいる所属もあれば、この「について」をほとんどつけていない所属もあります。  さらに、トップページのトピックスでは、各項目の見出しの頭にお知らせとか、注目とかといった言葉が並んでいますが、そもそも、トピックスに掲載されるものはどれも注目すべきお知らせでありますから、そういった文言は不要かと思います。  文字数が多いという視点とは別になりますが、トップページには新着情報、記者発表資料という項目があります。それぞれをよく見ると、新着情報にしか載っていない情報、記者発表資料にしか載っていない情報、新着情報と記者発表資料の両方に載っている情報があります。  そもそも、記者発表をする情報は、その時点では新着情報であるわけですが、どういった基準でこの分類をしているのかということを各課に聞きましたところ、先ほどお話ししましたCMS(コンテンツマネジメントシステム)の運用上の課題にたどり着きました。  本県の公式ウェブサイトの運用管理は、総務部情報政策課が所管していますが、県政各般にわたる膨大な個別情報について、もちろん、情報政策課で全ての管理をすることはできませんので、このCMSによって各所属が資料なりデータなりをウェブサイトにアップすることができるし、その修正等も行うことができるということになっています。  そこまでは、このCMSは大変有効に機能していると思いますが、ただいまの例でいいますと、新着情報、記者発表資料、どちらに分類するかは、各所属がウェブ掲載の処理画面でチェックマークを入れるかどうかだけで決まるということでありまして、チェックマークを入れる、入れない、あるいは両方に入れるということについては、幾つかの所属にヒアリングしましたが、特に基準はなく、各所属の判断によるとのことでありました。  いろいろと見てまいりますと、ウェブサイト全体のデザイン、レイアウトの課題としては、もっとすっきりさせて、大事な情報を際立たせるための改善の余地があるのではないかということ、そして、ウェブサイトの運用の課題としては、各所属が文言や資料を入力するCMSの運用においても、入力の結果として表示されるウェブサイトにもっと統一感を持たせて、利用者に分かりやすくなるような運用基準のようなもの、ガイドラインのようなものを標準化、共有化していくことが必要ではないかと思います。  また、スマートフォンへの対応も重要かと思います。最近では、ウェブサイトをスマートフォンから見る人の割合が約三分の二、パソコンから見る人の割合が約三分の一と言われています。パソコンのみならず、スマートフォンから見ても分かりやすいウェブサイトにする工夫が必要かと思います。  ちなみに、本県のウェブ画面をスマートフォンから見ると、一瞬、パソコン用のウェブ画面が表示されてからスマホ用画面に切り替わるので、目がちかちかするという声を聞いたことがあります。専門的なことは分かりませんが、スマホ利用者には、スマホに特化したウェブサイトが望まれると思います。  さらに、もう一点申し上げますと、新型コロナ対策であるとか、大規模災害の発生時であるとか、あるいは、これから県民に伝える機会が増えてくるジブリパークやアジア競技大会など、従来の縦割り型の組織では総合的に、横断的に伝えにくいようなテーマについては、トップページに特設サイトの入り口を設けることができるようにするなど、様々な情報をより見やすくする仕組みも必要かと思います。  そこでお尋ねいたします。  本県の公式ウェブサイトがより分かりやすく、より使いやすいものとなるように、デザイン、仕組み、運用形態などの改善に今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。  次に、二番目の項目、自転車の安全利用、安全教育についてお尋ねいたします。  昨年の本県の交通事故死亡者数は百五十四人で、前年より二人減少し、二年連続で全国ワースト一位を回避しました。  しかしながら、自転車乗車中の死者数は二十九人と、前年に比べ四人、一六%の増加となっており、自転車の交通事故防止が喫緊の課題となっています。  なお、亡くなられた二十九人中二十七人が、残念ながら、ヘルメットを着用していなかったとのことであります。  そのような中、本年四月、本県では、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が施行されました。この条例では、自転車は車両であるという認識の下、県は市町村等と連携をして道路交通環境の整備を行い、自転車の利用者は運転者としての自覚を持って歩行者等に配慮した利用を行い、保護者には交通安全教育に、学校、事業者には交通安全教育や啓発に努める責務を明示しています。  あわせて、交通事故の重大化の防止のために、自転車利用者等の乗車用ヘルメットの着用が努力義務化され、被害者救済の観点から、自転車損害賠償責任保険等への加入を義務化することとなりましたが、この部分については六か月間の周知期間を置いた後、本年十月一日から全面施行されます。  そこで、県として、この条例が全面施行される十月一日を前にして、特にヘルメットの着用及び自転車損害賠償責任保険等への加入促進のため、どのような取組を進めているのか、お伺いいたします。  次に、自転車の交通違反の状況について申し述べたいと思います。  ルールを守らない自転車、例えば、一時停止を全く無視して交差点を通過する自転車は日常的に見かけますし、スマホを見ながら自転車を走らせている人さえも度々見かけるわけであります。  先日も、私が自動車を運転しているとき、一時停止を無視した自転車が飛び出してきて、危うくはねそうになり、急ブレーキをかけたことがあり、その自転車は何もなかったように走り過ぎていきましたが、自分が危険な状態にあったことすら気づいていないし、また、同じことを繰り返すのだろうと思います。  そもそも私たちは、自動車の運転免許を取得する際には、自動車学校で交通規則を習い、学科試験もパスしなければなりません。ところが、自転車にはこのような制度がないため、自転車の交通安全ルールを特に教わることなく、つまり、知らずに利用している人はたくさんみえると思います。  自転車は赤信号では止まらなければならないことは分かっていても、自転車にも一時停止で止まる義務があること、複数台で横に並んで走ってはいけないこと、傘を差して運転してはいけないこと、そういったことが道路交通法で定められている義務であり、罰則もあることを理解している人の割合は決して高くはないと思います。歩行者保護という言葉に関して、自転車は、歩行者と同様に保護されると誤解している人は結構いるんだろうと思います。  そこで、警察本部長にお尋ねいたします。  このような自転車の利用実態を踏まえ、本年の道路交通法違反の取締りの状況と今後の対策についてお伺いいたします。  続いて、自転車の交通安全教育についてお尋ねいたします。  自転車は、時には凶器として加害者にもなり得る、重大な人身事故を発生させてしまうおそれがある車両であります。他県で発生した事故例でありますが、小学生の運転する自転車が歩行中の六十代女性と衝突し、女性が意識不明となった事故、高校生の運転する自転車が車道を斜め横断し、対向から走行してきた二十代男性が運転する自転車と衝突し、重大な障害を負わせた事故で、いずれも九千万円を超える高額賠償を命ずる判決が出ています。  こういった現状に対しては、児童生徒、一般成人、高齢者、あるいは外国人に対して、それぞれにふさわしい方法で、安全ルールを改めて教育していく必要があると思います。  そもそも、自転車運転のルールについてインターネットで検索してみますと、自転車の安全運転については、ルールではなく、マナーという表現が多数見つかります。  私はこれには多少違和感を感じます。マナーは作法であって、義務ではないからです。教育する側も守るべき義務であるという前提で伝えて初めて、自転車の運転ルールを遵守する意識が醸成されるのではないでしょうか。  本年四月施行の自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例では、保護者、学校、事業者に対して、交通安全教育が求められています。  そこでお尋ねをします。  条例制定を機に、自転車の交通安全対策として、従来以上に踏み込んだ教育が求められていると思いますが、学校における自転車利用の安全教育が推進されるように、教育委員会としてどのように取り組んでいるのか、教育長にお尋ねいたします。また、家庭や事業者において自転車利用の安全教育が促進されるようどのように取り組んでいるのか、防災安全局長にお尋ねいたします。  最後の項目、三番目の項目、テレワークの普及と定着についてお尋ねをいたします。  テレワークは、働き方改革の一環として、育児や介護を行う家庭環境にあっても就労できる働き方として、通勤時間や移動時間を有効に活用できるツールとして、あるいは、多様な人材を確保するための方策や災害時の業務継続の手段として、社会の様々なニーズに対応する働き方として推進がなされてきました。  このような中、テレワークに取り組む企業は増加していますが、導入に向けてハードルを感じている中小企業は依然として多く、本県では、それらの中小企業に対して、様々な支援を行ってきました。  本年度になってからの取組としましては、本年四月にあいちテレワークサポートセンターを開設し、テレワークに適したシステムやツール、セキュリティー対策、労務管理などの相談に応じるとともに専門家の派遣も行うという、導入から定着までの一貫した支援を開始しました。  また、六月には、県内企業約一万社に対して、このテレワークサポートセンターの利用促進を図るリーフレットを送付したと聞いています。  そして、八月には、あいちテレワーク・モデルオフィスを開設し、テレワーク関連の設備を展示し、テレワーク体験もできるような施設が出来上がりました。  私もサポートセンター、モデルオフィスを見学してまいりました。  モデルオフィスには仕切りのある座席や個人作業に集中できるブース席など十二席が設けられ、Wi─Fiやプリンターが無料で利用でき、テレワークを体験できるようになっていました。事前予約により、平日の午前九時から午後六時まで、誰でも無料で利用できるとのことでありました。  サポートセンターでは、機器の操作体験もさせていただきました。特に、勤務状況を管理するソフトにおいて、上司の端末には部下の勤務状況がどのように表示されているのかを実際に見せてもらったり、あるいは、会社のサーバーにアクセスする際のセキュリティー対策として、社員のID、パスワードに加えて、ハードウエア固有情報や電子証明書といったものを組み合わせて、不正な接続を阻止するツールのデモを見せてもらったりしました。  経営者が感じるような疑問に対して、サポートセンターは実演も交えて適切に説明を行っていると感じた次第です。ぜひ多くの県内企業や働く方々に利用いただきたいと感じました。  そこでお尋ねいたします。  本県では、今年度、従来からの取組に加えて、テレワークサポートセンターの開設など、中小企業に寄り添った新たな取組を行っていますが、どのような相談があったのか、どのような課題が分かったのか、それら課題を踏まえて、テレワークの普及と定着に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。  先ほど申し述べましたように、テレワークは社会の様々なニーズに対応していくためのものでありますが、新型コロナウイルス対策として、出勤者の七割削減を目指すことになり、急激に短期間に実施されたケースもあるために、企業内においては、率直に言って、マネジメントの問題、コミュニケーションの問題などが生じてしまい、生産性が下がってしまったという話を聞いたことがあります。  テレワークは一過性のものではなく、人口減少社会を迎える日本が労働力を確保し、生産性を維持していくために定着が望まれる勤務形態の一つかと思います。しかも、現在、通信インフラは次世代仕様の5Gへの転換が大きく進んでおり、近い将来、高速大容量、同時接続が可能な5Gが普及した社会では、テレワーク環境はさらに便利で快適なものになると思います。  中小企業の経営者のテレワーク導入に関する動機づけを考えた場合、従業員の働き方改革の推進ということは大きな動機でありますが、さらに、経営の効率化、生産性の向上、優秀な人材の確保といった経営力の強化は、より大きな動機になるのではないかと思います。  そこでお尋ねをいたします。  テレワークの推進は、経営力の強化に寄与するという視点からも、より啓発が望まれていると思いますが、どのように進めていかれるのか、お尋ねいたします。  以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴いただきまして、大変ありがとうございました。(拍手) 27: ◯総務局長(林全宏君) 本県の公式ウェブサイトの改善に向けた今後の取組についてお答えいたします。  現在の公式ウェブサイトは、二〇一〇年度にリニューアルし、約十年が経過しました。  昨年度のトップページへのアクセスはコロナ禍において緊急性の高い情報が多かったこともあって、前年度比約七〇%増加しており、公式ウェブサイトの情報発信のツールとしての重要性は増してきております。  また、近年は、スマートフォンの利用が増え、昨年の総務省の調査では、約七割の方がスマートフォンでインターネットを利用しているというデータもあり、ウェブサイトを御覧になる方法も大きくさま変わりしてきております。  こうした変化に適切に対応するため、公式ウェブサイトの来年四月一日のリニューアルに向けて、作業を進めているところです。  具体的には、現在のウェブサイトの課題や問題点を把握し、これを踏まえた上で、閲覧される方が必要な情報をより探しやすいよう、新たなICT技術を活用するとともに、サイト構成や情報分類、ナビゲーション、デザインのほか、スマートフォンユーザーの利便性など、様々な観点から見直しを進めてまいります。  さらに、実際にウェブサイトの管理、操作を行う各所属に対しても、効果的な情報発信ができるよう、統一的な運用方法を定めて全庁へ周知し、研修を実施いたします。  本県の公式ウェブサイトは、災害時の緊急情報、観光、イベントなど、様々な行政情報を発信する重要なツールでありますので、利用される方にとってより分かりやすく、使いやすいものとなるよう取り組んでまいります。 28: ◯防災安全局長(中川喜仁君) まず、ヘルメットの着用及び自転車損害賠償責任保険等への加入の促進に向けた取組についてお答えいたします。  条例において、県民の皆様に新たに義務を課す条項につきましては、議員お示しのとおり、六か月の周知期間を設け、十月一日から施行することとしております。  このため、県といたしましては、県民の皆様に条例の内容を知っていただくために、各種の広報啓発活動を展開しているところであります。  具体的には、季節ごとに実施する交通安全県民運動において運動の重点に位置づけ、県内各地域でヘルメット着用と保険加入を呼びかける啓発イベントを開催しております。  また、学校や自転車での来客が多く見込まれる図書館、大型商業施設、高齢者が多く集まる老人クラブや病院等にポスターやチラシを配布しているほか、JRや名鉄、地下鉄等、六事業者の県内路線において、中づり広告を掲出するなど周知に努めております。  さらには、ヘルメットの着用や、保険加入を呼びかける啓発動画を作成し、県のウェブページに掲載するとともに、インスタグラムにおいても配信しているところであります。  また、本年四月から市町村と協調して実施しておりますヘルメット着用促進の補助制度を活用していただくため、市町村の問合せ窓口や、申請手続に必要となる書類などをウェブページで御案内するとともに、自転車販売事業者の協力を得て、来店者への周知を図っております。  今後も、市町村や県警察、教育委員会、関係諸団体と連携し、ヘルメット着用と保険加入が促進されるよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、家庭や事業者における自転車利用の安全教育の促進に向けた取組についてお答えいたします。  県では、効果的な教育手法の検討や安全教育の教材作成への助言をいただくため、有識者や教育関係者、交通安全推進団体等で構成する自転車交通安全教育のあり方検討会議を七月に立ち上げております。  現在、検討会議において、自転車の安全利用に関する課題の抽出、基本的な教育の方向性と、効果的と考えられる教育例について検討を進めており、委員からは、交通ルールとして教え込むだけではなく、気づきによる自発的な行動変容を促す形の教育が効果的であるといった意見が出されております。  また、教材につきましては、幼児・児童用と大人用の二種類を、日本語版のほか、英語、中国語、ポルトガル語の三言語で作成することとしており、委員から、左側通行の徹底や、交差点での出会い頭の事故防止等に重点を置いた内容が効果的であるといった意見をいただいております。  なお、作成した教材は、市町村や学校、交通安全推進協議会、交通安全パートナーシップ企業などを通じて、家庭や事業者への周知を図るとともに、自転車シミュレーターを用いた出張講座や交通安全教室等において活用することとしております。  こうした取組を着実に進めることにより、家庭や事業者が行う自転車の交通安全教育が促進されるよう、県警察や教育委員会とも連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。 29: ◯警察本部長後藤和宏君) 自転車の取締状況などについての御質問にお答えをいたします。  自転車利用者の交通違反に対しましては、県民の皆様から指導取締要望が数多く寄せられているところであり、また、昨年中、自転車利用者の交通事故死者数は二十九人でありましたが、このうち、自転車側の信号無視や指定場所一時不停止が原因で亡くなられた方が八人でありました。  こうした中で、県警察では、自転車利用者が関連する交通事故発生データの分析に基づき、自転車利用者に対する指導啓発を重点的に行う地区、路線を選定いたしまして、信号無視、指定場所一時不停止、携帯電話保持等の違反に対する指導警告を実施しておりますほか、具体的な事故の危険が伴った違反などにつきましては、検挙措置を講じているところであります。その結果、本年八月末の検挙件数は千二百三十四件、指導警告件数は六万五百九十九件となっているところでございます。  今後とも、交通事故発生状況や自転車利用者の通行実態に応じた街頭における指導取締・啓発活動のほか、交通安全動画を活用した広報活動、交通機動隊に設置された自転車部隊、通称B─Forceを派遣した交通安全教室の実施などにより、自転車利用時の基本的な交通ルールについて周知し、自転車利用者による交通事故抑止を図ってまいります。 30: ◯教育長長谷川洋君) 自転車利用の安全教育の推進に向けた県教育委員会の取組についてであります。  県教育委員会からは、条例施行前の三月末に各県立学校及び市町村教育委員会に対し、条例に基づき、児童生徒への自転車の安全で適正な利用に関する教育を推進するよう依頼いたしました。  八月には改めて、努力義務化されたヘルメットの着用と義務化された保険加入の促進を働きかけたところであります。  さらに、十月一日現在で、通学のために自転車を利用する児童生徒の保険加入状況を確認するとともに、保険未加入者に対しては、加入に向けた情報提供を積極的に行ってまいります。  また、本年三月に改訂したあいちの学校安全マニュアルにおきましては、自転車に係る交通安全の指導例を新たに掲載し、各学校における取組の参考としていただいております。  さらに、高校入学を機に自転車通学する生徒が増加することから、毎年度、高校一年生及び保護者向けの交通安全啓発資料を作成、配布しております。  来年度の啓発資料につきましては、自転車乗車時のヘルメット着用の重要性を新たに盛り込むなど、条例を踏まえた内容に見直しをしまして、この資料を積極的に活用しながら、自転車運転のルールの徹底と、各学校における自転車の安全利用、安全教育のさらなる充実を図ってまいります。 31: ◯労働局長(橋本礼子君) テレワークの普及と定着に関する取組についてお答えいたします。  中小企業におけるテレワーク導入を支援するあいちテレワークサポートセンターには、四月二十八日の開設以降、八月末までの四か月間で四百件余りの相談が寄せられております。  その相談内容は、テレワークに適した業務の洗い出し、切り出しに関すること、そのために必要なツールや自宅における環境整備に関すること、また、労務管理やセキュリティー対策の整備に関することなど、多種多様にわたっております。  一口にテレワーク導入といっても、業種、業態、規模、さらには導入検討の熟度によって、解決すべき課題は企業ごとに異なるものでございますので、サポートセンターでは、こうした中小企業の個々の事情に寄り添った支援をきめ細かに行うためのアドバイザー派遣を行っているところでございます。  また、現在、様々な業種の企業のテレワーク導入事例を紹介する動画を作成しており、今後、サポートセンターのホームページで情報発信を行ってまいります。  さらに、八月に開設したあいちテレワーク・モデルオフィスでは、働く方に実際にテレワーク体験が可能な勤務環境を提供するとともに、県産木材等を使ったテレワーク関連設備の展示や、テレワーク環境整備のための家具やツールの紹介などを行っております。  今後とも、両施設の一層の利用促進を図ることで、中小企業におけるテレワークの導入、定着を支援してまいります。  次に、テレワークの推進に向けた啓発についてであります。
     テレワークは従業員の働き方改革につながるとともに、企業にとっても、業務効率の改善、労働時間の短縮、コスト削減による生産性の向上や、離職防止、採用力の強化など、人材確保につながる効果が期待されております。  中小企業においてテレワークの導入を進めるに当たっては、経営トップの明確な方針と、全社を挙げての推進体制が必要であります。  このため、中小企業の経営者を対象にテレワークの活用方法や導入プロセスを学ぶテレワーク・スクールを開催し、テレワークの導入意識の向上を図っているところでございます。  また、引き続き、経済団体等を通じて経営層に対してテレワークの推進を働きかけるとともに、県のホームページや企業へのメールマガジンを活用して広く周知してまいります。  テレワークは企業の持続的発展に寄与するものでありますので、一過性のものに終わらせることなく、ウイズコロナ・ポストコロナ時代の新しい働き方として中小企業に根づいていくよう、しっかりと取り組んでまいります。 32: ◯四十六番(神戸健太郎君) それぞれ御答弁をいただきました。  一点、要望させていただきます。  自転車の安全教育における教育の手法や利用するマニュアル等について、防災安全局長、教育長から答弁がありました。  今回、申し上げるまでもなく、条例で保護者、学校、事業者が安全教育に努めることが努力義務化されたわけであります。特に学校の教育現場では、安全教育に費やす時間が限られているという話も聞くわけでありますが、そうであるのならなおさらのこと、限られた時間でも効率的に大切なことが伝わるように、聞き手の印象に残るような、例えばビジュアルのツールですとか、そういったものを工夫いただきたい。あるいは、児童生徒に一人一台端末が配布されたわけですから、動画なども考えていただきたいと思うわけでございます。  自転車の安全教育については、従来のやり方の延長線上ではなく、改めて新しいアイデアも出しながら、もっと聞き手、すなわち自転車の利用者に伝わるような工夫を最大限していただきますことを要望して、私の発言を終わらせていただきます。 33: ◯議長坂田憲治君) 進行いたします。  渡辺靖議員。     〔二十二番渡辺靖君登壇〕(拍手) 34: ◯二十二番(渡辺靖君) 冒頭、お願いをいたしたいことがございます。  実は、肺の機能が非常に低下をしてきております。これは拘束性換気障害とかいう問題で、通常の肺活量が低下していってしまうということでございますので、質問上、大変聞き取りにくいことがありましたら、お許しをいただきたいと思います。  それでは、通告に従いまして、大きく二項目についてお伺いをいたします。  なかなか見通せない状況下にある新型コロナウイルス感染でありますが、第五波抑制に向けて実施いたしました緊急事態措置も感染者減少傾向が顕著に現れてきており、日々御尽力を賜っております医療従事者の皆様をはじめ、県民の安心・安全に心を砕き、携わっておられる大村知事、通常業務に加えてコロナ対策業務にも取り組んでおられる職員の皆様の御心痛をお察しするとともに、改めて感謝を申し上げます。  県民誰もがこれまで同様に気を引き締めて対応を継続していかなければならないと認識していますので、職員の皆様には引き続き、全ての県民に対して行動自粛やワクチン接種など、感染防止対策に理解いただくよう努めていただきますことをお願いさせていただきます。  さて、コロナ感染は、振り返りますと昨年の一月末では、国内で確認された新型コロナウイルスの病原体保有者は十二名でありました。月日がたつにつれ、感染者や死亡者数が増加し、ウイルス感染の恐ろしさを感じるようになってまいりました。  そのたびに緊急事態措置、まん延防止等重点措置などで感染防止対策の強化を図り、国民の生命及び健康を保護するとともに、国民の生活や経済に及ぼす影響が最小限になるよう実施されてきましたが、対策を講じると感染者数が減少し、措置が解除されますと感染者が増加する繰り返しで現在に至っております。  そうした中、感染防止対策で一番の効果が現れていることは、緊急事態措置における行動制限による県民の行動変化の現れと、ワクチン接種率の向上だと誰もが理解しているところでございます。  九月三十日をもって緊急事態措置の解除がされることで人々の意識が変わり、先日のシルバーウイークでの観光地などの人流増など、感染症のリバウンドを生じさせることが懸念されております。  この先、緊急事態措置で抑え込んだ感染症防止策がおろそかになることがないように注視をして取り組むことに加えて、秋の行楽シーズンや新型コロナウイルスの第六波が十二月中旬頃から増え始めると予測をされていますので、本県として年末年始を迎えるに当たり、これまでの様々な指標を用いて、感染再拡大防止策に取り組むことを願っております。  そこで、現在、地域を超え、経済、社会など幅広い分野に大きな影響を与えていますが、地域住民が生活する上で最も必要に感じておられる身近な商店街でのコロナ禍における振興策についてであります。  この一年九か月の短期間において、急激に社会全体の仕組みが変わってしまったことであります。コロナ流行以前は、社会全体の仕組みが変わる速度は、数年をかけて徐々に変化を遂げ、普及してきましたことが、コロナ感染流行により、生活様式や働き方など、急激な変化を余儀なくされました。  また、県内の商店街も新型コロナウイルス感染症の影響により来街者が減少し、厳しい経営環境に直面していることに耐えながら、これまで国の持続化給付金や、県や市町村による様々な支援策を講じていただきましたが、売上高の減少、店舗の閉鎖など、厳しい経営を余儀なくされています。  特に飲食業は、国からの緊急事態措置の発令による休業要請や、人と人との接触を減らす外出自粛など、様々な規制により営業困難となり、休業や店舗を閉鎖せざるを得ない実態であります。  このような状況では、これまで商店街が担ってきた地域のにぎわい創出や地域コミュニティーの活動が低調となることで、まちの活力が失われ、中心市街地の衰退が加速することが懸念されております。  愛知県としては、昨年、あいち商店街活性化プラン二〇一六─二〇二〇の計画年度を終えられ、本年は暫定的ではありますが、計画期間二〇二一年度限りのあいち商店街活性化プラン二〇二一を策定し、商店街や地域商業の活性化のため、県内の市町村や商業団体などと連携をして実施したプレミアム商品券発行事業や、感染防止対策を徹底しながら、各商店街が工夫を凝らして実施した事業を支援してきたとお伺いいたしております。  新型コロナウイルス感染症の終息が見えず、影響が長期化することで、商店街への影響が大変憂慮されていることから、コロナ禍における商店街の振興策について、まず、一点目として、県内商店街の現状と課題について、二点目として、本年度はまだ年度途中ではございますが、二か年にわたり商店街活性化に向けて取り組んだ内容と、これまでの評価についてお伺いをいたします。  二項目めの県営住宅の諸問題についてお伺いをいたします。  愛知県において、昨年四月に新型コロナウイルスの感染症の拡大の影響により、雇用先からの解雇または期限の定めのある労働契約の更新拒否により、居住する住宅から退去を余儀なくされた方や、現に居住している住宅から退去を余儀なくされる見込みの方を対象に、県営住宅の提供を開始されたことに感謝申し上げます。  さて、県営住宅をはじめとする公営住宅は、公営住宅法第一条に、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とすると定義されております。  公営住宅の制度の経緯は、終戦後、空襲による焼失や引揚者の需要などの、当時、未曽有の住宅難に直面していた経緯の下、国庫補助による応急簡易住宅及び既存建物転用住宅の供給が開始されて以来、国庫補助庶民住宅の建設や、都市転入抑制の解除、臨時建築制限規則の廃止などの対策が解除されましたが、住宅難は依然として深刻な状況に当時ありました。  昭和二十六年には低所得者を対象とする公営住宅の供給を恒久的な施策として公営住宅法が成立し、その後、収入超過者制度の導入、公営住宅建替制度の導入など、改正を行ってまいりました。  さらに、近年、急速な高齢化など大きく変化する経済社会情勢に対応すべく、地方自治体の裁量で高齢者に配慮した入居者資格の設定等を可能とすることや、入居者の収入と住宅の立地条件、規模に応じた家賃制度の導入など、幾度かの改正が行われてまいりました。  本県の県営住宅は、令和三年八月一日現在で、県内全域に二百九十七団地、千四百八十棟、管理戸数五万七千八百六十六戸を管理しており、入居戸数四万五千七百九十七戸、入居率七九・一%となっております。  また、少し時点は古くなりますが、令和二年十月一日現在の県営住宅の六十五歳以上の入居者の割合は三一・八%となっております。これは総務省が令和三年九月十九日に発表した令和三年九月十五日現在の総人口に占める六十五歳以上の割合の推計値二九・一%より少し高くなっております。  そこで、県営住宅の入居者に高齢者が増えてきている現状を考慮し、施設設計上設置可能な住棟にはエレベーターを設置すべきと考えますが、どのように設置を進めていくのかお伺いいたします。  次に、愛知県はモノづくり産業の集積地として、製造品出荷額などでも四十三年連続一位を堅持し、昭和、平成、令和の時代にまたぎ揺るぎない製造業県を維持しているとともに、そのほか、農林水産業や商業においても、国内トップクラスを堅持しております。  こうした中、本県では、外国人の働き手を多種多様な業種で求めている環境下にあります。愛知県の外国人労働者数は、事業主による外国人雇用状況の届出が義務化されました平成十九年以来、多くの産業で外国人労働者が増加している傾向であり、これからもますます、外国人の働き手が必要となることが考えられます。  現在、公営住宅の外国人の入居資格は、永住許可を受けた者などであり、そのほかの入居資格は日本人と同様であることから、全国的に公営住宅に外国人入居者が増加する要因の一つとなっております。  特に本県は産業の集積地であることから、多くの外国人が生活するようになりました。令和三年八月一日現在では、入居戸数四万五千七百九十七戸に対し、外国人入居戸数は七千百九十二戸で、その割合は一五・七%となっており、愛知県も多文化共生を積極的に進めているが、生活様式や言語の違いから情報が伝わりにくいと、県営住宅の自治会から伺っております。  そこで、県営住宅の管理者として、日本語が不自由な外国人入居者に対してどのような支援を行っているのか、また、今後どのように取り組むのか、お伺いをいたします。  次に、共益費の徴収方法についてであります。  県営住宅では従来入居者で組織する各自治会が徴収していた共益費を令和二年度から県が徴収できるよう制度改正を行い、自治会の負担軽減を図っているところでございます。  しかしながら、共益費の徴収項目は、エレベーター及び浄化槽の保守管理費、その電気料、階段、廊下の電灯などの共用部の電気料などであり、敷地内の草刈りや階段、廊下の電球の交換など、細々とした多くの対応については依然として各自治会に任せているとのことであり、こうした負担も少しずつでありますが、軽減すべきと考えます。  現実的に制度改正後、間もないことから、まずは一つずつでも多くの県営住宅で共益費を県による徴収に切り替え、自治会負担を減らすべきと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、県営住宅の目的外使用についてであります。  現在、公営住宅は公営住宅の本来の入居対象者の入居を阻害せず、公営住宅の適正かつ合理的な管理に支障のない範囲で、公営住宅法等に基づくもの以外にも、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十二条に基づく国土交通大臣の承認を得た上で、目的外使用ができるとされております。  本県では現在、障害のある方々を支援するため、県営住宅の目的外使用による活用の一つとして、グループホーム事業を実施していると伺っております。他県においては、グループホーム事業以外にも、県営住宅の空き家を活用している例もあると聞いており、本県としても、県営住宅の空き家を有効活用するため、目的外使用をさらに推進すべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのかお伺いをして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 35: ◯経済産業局長矢野剛史君) 初めに、コロナ禍における県内の商店街の現状と課題についてお答えいたします。  まず、現状についてですが、昨年四月に本県が第一回目の緊急事態措置を発出して以来、県民の不要不急の外出自粛や、事業者への休業、営業時間短縮の要請が長期化する中、客足や売上げの減少など、商店街への影響が懸念されているところであります。こうしたことから、今年一月から三月にかけて、県内商店街を対象に、新型コロナウイルス感染症による影響調査を実施いたしました。  この調査結果によりますと、四八%の商店街が五割以上の来客を失い、四四%の商店街が五割以上の売上げ減少を強いられるなど、商店街は厳しい現実に直面しております。さらに、コロナ禍で商店街の衰退を感じるとの回答は約九割に及び、各商店の経営悪化や空き店舗の増加などが危惧される状況であります。  次に、商店街の課題といたしましては、店主の高齢化や後継者の不足、店舗の老朽化や陳腐化といった従来からの課題に加え、新型コロナウイルス感染拡大後においては、感染防止対策や地域の消費喚起といった新たな課題も顕在化しております。  県といたしましては、喫緊のコロナ対応に伴う商店街施策に万全を期するとともに、商店街の担い手不足など、従来からの課題にもしっかりと取り組んでまいります。  次に、商店街活性化に向けて取り組んだ内容と、これまでの評価についてお答えを申し上げます。  例年、商店街等の団体が実施する夏祭りなどのにぎわい創出の取組や、共同セールなど販売促進の取組等に対し、本県では商業振興事業費補助金による助成を行っております。  昨年度は、この補助金の中に補助率等を拡充した新型コロナウイルス感染症緊急対応事業及び新型コロナウイルス感染症再生支援事業の二つの支援メニューを設け、商店街の複数店舗が共同で実施するデリバリーサービスや、恒例の秋祭りで好評の落語会イベントのオンライン配信など、社会、生活の新様式に対応する取組に助成してまいりました。  今年度も、同じく補助率等を拡充した新型コロナウイルス感染症対策事業を新たに設け、検温や消毒、ウェブによる事前登録といった入退場管理を徹底して行うイベントや、QRコードを活用した非接触のスタンプラリーなど、商店街がそれぞれ工夫を凝らした独自のウイズコロナの取組に助成してまいります。  また、コロナ禍で落ち込んだ地域需要を拡大し、消費喚起を図るため、昨年度、げんき商店街推進事業費補助金により、県内四十八の市町村が実施したプレミアム商品券発行事業を支援いたしました。  しかしながら、長引くコロナ禍の影響で消費者マインドが十分回復しないため、今年度も引き続き、三十三市町村が実施するプレミアム商品券発行事業に加え、八市が実施するキャッシュレス決済ポイント還元事業を同補助金で支援し、地域商業の活性化にも注力しております。  さらに、同補助金では、コロナ禍において商店街の各商店の魅力を発信するための取組や、先行きが懸念される空き店舗対策の取組などにも支援を行っております。  こうした商店街の一つ一つの取組は、各商店街がコロナ禍を乗り越え、ウイズコロナはもちろんのこと、ポストコロナを見据えた商店街の将来展望を模索しようとする意欲の表れであり、各市町村が行うプレミアム商品券発行事業のような消費喚起策も、苦境の中で前向きな取組を進める商店街にとっては、力強い後押しになっているものと考えております。 36: ◯建築局長(成田清康君) 県営住宅の諸問題につきまして、四点お尋ねをいただきました。  まず、住宅へのエレベーターの設置についてであります。  本県では、老朽化した住宅の建て替えを進めており、建て替えに当たりましては、全ての新築住宅にエレベーターを設置しております。  また、既設の住宅につきましては、二〇〇二年度からエレベーターの設置場所の確保といった敷地条件、建築基準法、消防法等への適合といった法的条件、建物の構造的に設置可能かといった構造条件など、後づけでエレベーターが設置できる条件を満たした五十六棟について、設置を進めているところであります。  しかしながら、これらの既設の住宅にエレベーターを設置する場合には、家賃や共益費の負担増となることから、入居者の合意が必要であるため、これまでに設置したのは、自治会の同意が得られた二十四棟でございます。  県としましては、高齢化社会においてエレベーターは必要な施設であると認識しており、後づけで設置できる条件を満たす残りの三十二棟についても引き続き積極的に自治会に働きかけるなど、県営住宅のエレベーターの設置に取り組んでまいります。  続いて、日本語が不自由な外国人に対する支援についてであります。  県営住宅に入居する外国人の国籍は、ブラジル、中国、ペルー、フィリピンなど多様化しており、日本語が不自由で日常生活に困っている方もいると聞いております。  県では、入居時に配布する共同生活のルールを記載した入居者のしおりを七か国語に翻訳するほか、様々な配布物や掲示物についても入居者の母国語に応じた外国語表記を追加するなどの対応をしております。  さらに、県営住宅管理を代行する愛知県住宅供給公社が設置している各地区の住宅管理事務所それぞれに外国人の入居状況に応じた言語の通訳を定期的に派遣するこれまでの体制を見直し、より相談機会を確保するために、この四月から通訳を一か所に集め、リモート通信及び専用電話で対応する外国人サポートデスクを設置したところであります。  この外国人サポートデスクでは、ポルトガル語や中国語、スペイン語など七か国語に対応しており、設置後の五か月間で、県営住宅の手続に加え、日常生活全般にわたる五千九百八十七件の相談があり、多くの方に御利用をいただいております。  今後も、県営住宅に入居する外国人の支援につきまして、自治会や入居者の意見を取り入れ、市町村をはじめとする関係機関とも連携の上、よりきめ細やかな対応に努めてまいります。  次に、共益費の県による徴収についてであります。  県営住宅におきましては、従来、自治会が徴収していた共益費の一部を二〇二〇年度から県が徴収できるよう制度改正を行い、県と自治会の合意が整った住宅について、共益費のうち、日常生活を支えるエレベーターの運行等の費用や、防犯対策としての共用灯の電気料などを県が徴収することといたしました。  制度改正して二年目の本年九月一日現在、県が共益費の徴収を行っているのは、今年度からの二十八住宅を加え、県営住宅二百九十七住宅中五十二住宅でございます。また、県による徴収を開始した多くの自治会からは、負担が少なくなったと喜ぶ声をお聞きしているところでございます。  さらに、今年度、改めて意向調査を実施し、県による徴収に関心がある住宅をはじめとする百三住宅の自治会に対して、制度の内容と導入の効果を丁寧に説明し、積極的に働きかけを行ってまいります。  あわせまして、それ以外の住宅につきましても、導入の効果を情報提供するなどしてまいります。  一つでも多くの県営住宅が県による共益費の徴収に切り替えられるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。  最後に、県営住宅の目的外使用についてであります。  県営住宅は、公営住宅法に基づき、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することを目的として、県が国の補助を受けて建設しているものであります。  そのため、県営住宅を本来の目的以外に使用するには、地域の交流や活性化に不可欠なものであること、県営住宅のほかに活用できる適当な建物が周囲にないこと、また、地域住民のコンセンサスが得られていることといった要件が整ったものなどが対象となり、さらに、国の承認が必要となります。  こうした中、本県では本年九月一日現在、グループホーム事業で二十戸、東日本大震災の被災者の方に二戸を目的外使用しております。  また、このほかにも、社会福祉法人からの子ども食堂として活用したいとの相談に対し、具体の住宅を案内するなど、目的外使用の実施に向けて対応してきたところであります。  今後とも、県営住宅の目的外使用については、空き家の活用という側面もあることから、県営住宅の本来の目的を踏まえつつ、国や市町村など関係機関と連携して取り組んでまいります。 37: ◯知事大村秀章君) 渡辺靖議員の質問のうち、コロナ禍における商店街の振興策について、私からもお答えいたします。  その前に、このマスク、議員の地元の西尾の佐久島が入っている、佐久島、日間賀島、篠島って、ちょうど一年ぐらい前に、三河湾の島の、島でマスクを島ス!というマスクでございます。  それから、先ほど御質問いただきました村瀬県議の御地元の江南の会社の方が作られた尾州のマークの入った冷感マスクでございます。  それから、神戸県議であります。今日も尾州のスーツでございます。靴も一宮の靴でございます。よろしくお願いします。  さて、商店街の振興策、答弁申し上げます。  このコロナ禍におきましても地域ににぎわいをもたらそうと、感染拡大防止に留意しながら開催された商店街のイベントに、私自身も参加をさせていただいております。  また、商店街や各店舗の皆様からは、地域の大学生や高校生と連携をして、その店独自の商品を生み出そうとする取組など、コロナに屈することなく、新たな試みに挑戦されているお話も多数伺っております。  商店街の取組は、地域の経済に活力をもたらして、地域のコミュニティーを活性化させることに寄与するものであります。コロナ禍による閉塞感や暗いムードを吹き飛ばして、地域に元気を吹き込んでいただくためにも、商店街には精力的な活動をまたこれからもお願いしたいと考えております。  ということで、今後とも、商業振興事業費補助金やげんき商店街推進事業費補助金、また、プレミアム商品券の発行でありますとか、そうした様々な事業によりまして創意工夫を凝らし、主体的に取り組んでいただく商店街をしっかりと支援し、商店街の振興に引き続き努めてまいります。 38: ◯二十二番(渡辺靖君) それぞれ明確な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。また、知事や局長からも前向きな御発言をいただきましたので、大変力強く感じております。  県営住宅の諸問題の中で、先ほど建築局長から御回答をいただきましたけれども、外国人入居者の対応というのは実は非常に難しいんですね。それぞれの国が違うことによって、全て生活様式が違う。そうした中で、自治会の方々が対応に苦慮していることは現実であります。  例えば、今回、こうしたコロナ感染の観点からも、日本の皆さんは密を避けて対応してくださいと言えばすぐ分かりますけれども、外国の方というのは仲間同士が集まってわいわいがやがやとする、そういう状況もあるわけでありまして、県営住宅へ入居させると、その後は市町村の役割もありますけれども、県として、管理者として、そうした細部にも気配りをお願いしたいと思います。
     それから、共益費の問題は、先ほど御回答いただきましたように、積極的に取り組んでいただいております。  ただ、その共益費の中で、敷地内の草刈り、それと住棟の電灯の取替え、こういうものは、実は危険を伴うものですね。草刈りについては草刈機を使用することによって、同じ作業をしてみえる方にけががあったり、それから本人もそういうけがをしたり、それから、電灯を替えることによっても、はしごなり、脚立なりで替えるわけですけれども、転倒をしてけがをされる危険性もあるわけで、そうした面も考慮して、危険を伴う業務については、なるべく県のほうで管理してほしいということだけ要望しておきます。  そして、不粋になりますけれども、県営住宅、私、今回、質問して一番感じたことは、高度経済成長期に造った施設が、住棟がたくさんあるということで、老朽化していると。それから、市町によっては、市の市営住宅よりも県営住宅に依存していこうというようなところも実は耳にすることがございます。  これからは公営住宅の在り方というものは、ぜひ県も、そして市町村も交えて、在り方自体を再検討いただくことを要望して終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 39: ◯四十番(丹羽洋章君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 40: ◯議長坂田憲治君) 丹羽洋章議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 41: ◯議長坂田憲治君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時五十八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時五十分開議 42: ◯副議長近藤裕人君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  石塚吾歩路議員。     〔六十一番石塚吾歩路君登壇〕(拍手) 43: ◯六十一番(石塚吾歩路君) それでは、通告に従いまして質問させていただきます。  二〇一九年末に中国で初の症例が確認された新型コロナウイルス感染症。ウイルスは瞬く間に地球上に広がっていき、パンデミック、世界的大流行を引き起こしました。  御案内のとおり、人間と感染症の付き合いは非常に長く、過去にも地球環境や人々の行動の変化に伴い、その時代を特徴づけるような感染症が流行してきました。そして、人間はその都度、大きな社会構造の変化に適応してきたのであります。  これからの時代、我々はウイルスとどのように向き合えばよいのでしょうか。感染症の世界史の著者である石弘之氏のインタビューの言葉を引用させていただき、今後の対策を考えていきたいと思います。  ウイルスの唯一無二の目的は、子孫を残すことと言われ、子孫を残しやすい場所を常に探り、ウイルスも変異を繰り返していきます。偶然、鍵を開けられる鍵穴を見つけて、ウイルスは人間の体内に侵入し、繁殖し、人間の細胞や臓器などに害をもたらすことがあるわけです。  ウイルスの突然変異のパターンを遡っていくと、起源が推定できます。コロナウイルスは一万年ほど前に登場したと推定され、初めは鶏や豚に感染する家畜の病気扱いでしたが、今回の新型コロナウイルスの元の宿主はコウモリと言われ、武漢ウイルス研究所の調査によれば、中国のキクガシラコウモリは、新型コロナウイルスに似たウイルスを数十種類も持っており、仲介役の動物を経て、いつ人間に新たに感染してもおかしくない状態だそうです。  遺伝子を変異させて人間に取りつく可能性を常に秘めており、新型コロナウイルスは何年か後には弱毒化して、普通の風邪のようなウイルスになるのかもしれませんし、その一方で、これから先、さらにこうかつになって、巧妙な感染方法、流行方法を見つけ出すのかもしれません。  人類は太古の昔から感染症と闘ってきました。古代エジプトのミイラを調べると、古代人も寄生虫、はしか、ハンセン病、マラリアなどの感染症に悩まされていたことが分かってきます。  また、感染症は環境の変化にも影響されやすく、熱帯病であるマラリアは、地球温暖化によって分布域が広がっていくといいます。アフリカや中南米でもマラリアの感染地域は拡大し、かつては高地で涼しく流行しなかった場所でも最近は患者が発生し、地球温暖化でマラリアを媒介する蚊の生息域が広がったためだと推定されています。  日本の古い文献にも、マラリアと考えられる感染症が登場し、近年においても、明治初期から昭和にかけて、日本海沿岸、沖縄、北海道など、全国的に流行があったといいます。  人間が定住するようになって、感染症と人間の関係は劇的に変化しました。最初は、定住した水辺では、川の水を共用したことで水を介した消化器系の病気が流行しましたが、その後、人口が都市に密集するようになると、人から人へと感染する呼吸器系の感染症が大流行を起こすようになったといいます。  都市が大きくなると、当初は衛生システムがなかったので、ごみを介して感染症が流行し、十四世紀のヨーロッパの都市ではネズミが大量発生し、ネズミが持っていたペスト菌が広がりました。  当時はペストの原因が分からず、ユダヤ人が井戸に毒を入れたなどのうわさが広がり、ユダヤ人排斥が激しくなったり、魔女狩りが盛んに行われたりしたそうです。  分からないことが起きると、恐怖心から人間はスケープゴートを求めるのかもしれません。大災害や感染症の大流行のときには必ずと言っていいほど起こった事象で、今回の新型コロナウイルス感染症も、様々な人種差別や偏見、迫害が後を絶ちません。  さらに都市が巨大化し、過密化した二十世紀に入ると、今度は人から人へ飛沫や空気で感染するようになり、呼吸器系に入り込んで、過密社会にウイルスが拡散していきます。過去の感染症の大流行では、社会構造が大きく変わり、十四世紀のペストによって、ヨーロッパの人口の四分の一から三分の一が死亡したと言われております。  病気で人口が急減し、農村が無人になって、それまでの封建制度が崩壊し、神にすがったものの教会は無力で、その不信がルターの宗教改革の一因にもなり、封建社会の束縛から解き放たれた人たちが町に集まり、ルネサンスの人間解放につながっていくというものです。  産業革命のときには工場ができ、免疫を持たない農村の人たちが都市に集まってきました。工場の仕事は重労働で、栄養状態も悪く、過密な状態だったので、たちまち結核が流行しました。明治時代の日本の紡績工場は、働く女性工員の解雇理由の約七割が結核感染で、政府は工場法を制定し、工場労働の就業時間の制限や、業務上の傷病、死亡に対する扶助制度が設けられました。  では、我々が直面しているコロナの時代はどうなるのでしょう。感染を防ぐために人と人との距離を置くということは、我々にとって初めての経験であります。人間にとって基本的な行動様式まで変えてしまうコロナウイルスは、人間関係の在り方や社会性についても見直しを迫ってきます。  しかし、過去の歴史を振り返ると、人間は感染症により大きく社会構造が変化を強いられた場合でも、柔軟に適応し、新たな生活や様式を生み出していきましたし、我々もそうでなければなりません。  二〇二〇年四月に最初の緊急事態宣言が発令されてから約一年半が過ぎようとしております。コロナ禍初期の段階では、緊急事態宣言を経て感染状況が落ち着き、その効果を実感することで、コロナ禍の出口に向けて前へ向いて努力することができました。  しかしながら、今年五月七日に四度目となる緊急事態宣言が発令され、東京オリンピック前に一時的に解除されたものの、八月二十五日に再び期間を八月二十七日から九月十二日までとして発令、九月三十日までの延長を経て、現在の状況となっておりますが、最近は新規感染者数は落ち着きつつありますが、デルタ株の影響や新たな変異株として、ラムダ株、ミュー株などの出現もあり、国民、県民の将来への不安は決して小さくなっていきません。  新型コロナウイルス感染症の出口戦略として、医療提供体制の確保、ワクチンの接種、行動制限の緩和と、順を追って質問してまいりたいと思います。  まず、九月八日現在で、療養者数に対する入院患者数は都道府県別で見ると、本県は比較的低い値を示しますが、県人口当たりの療養者数は沖縄、大阪とともに高い値を示し、この二つの値を比較しても、医療提供体制の逼迫具合が浮き彫りになってきます。  この頃は新規感染者も全国的にも多く、医療提供体制をしっかり構築、確保していくことは重要で、県としての取組、責任が第六波をうまく乗り越えていく重要な要素となることは明白であります。  本県の医療提供体制ですが、受診・相談体制は県保健所及び五保健所設置市において精力的に展開され、患者受入医療機関としては千七百二十二床を準備し、入院待機ステーションも用意され、宿泊療養施設として六施設千六百二十八室が契約されております。  この資源を人員などのソフト面を含め、十分に稼働していくことがポイントでありますが、死者を出さない、重症化させない、中等症を少しでも減らしていくという考えは大切であります。  個人的には、これまで積み上げてきたコロナ用に確保した病床は、医療スタッフなどの人員を考えると、ほぼ限界に近くなっていると思いますが、一般の病床がこの緊急時にはさきに述べた資源を使って、コロナ用の医療提供体制にスムーズにシフトしていく。つまり、第五波の終息で通常体制に戻りつつあるとき、仮に第六波が来たときには、この体制をスムーズにつくり上げていくことがポイントであり、これまでの経験で学んだ動かし方を大いに生かしていただきたいと思います。  また、政府も感染状況を評価する指標の見直しで、新規感染者数など五項目に加え、自宅療養者数や中等症の患者数なども参考指標として加える方向で検討しており、医療体制をより重視していく流れで、緊急事態宣言の発令、解除を判断していくとのことです。  さらに、今回の第五波では、新規感染者が増加はしましたが、高齢者を中心にワクチン接種が進んだことにより、重症化しやすい高齢者の患者数が少なく、また、軽症、無症状の患者が多い傾向にありました。こうしたことから、自宅療養者が急増し、九月七日には過去最多の一万九千百七十八人となりました。  この多くの自宅療養者を減らしていき、悪化した場合、必要な医療提供をしていくことができるかがとても重要となってきます。  そこで、本県において、自宅療養者が急に体調が悪化した場合に、速やかに必要な医療が受けられるよう、地域の医療機関や訪問看護ステーションと連携した医療提供体制を整備していますが、その実績はどのようになっているのか、お聞きいたします。  コロナ禍の終息に向けて大きく期待されるのが国民全体へのワクチン接種であり、感染・重症化リスクを小さくすることで、個々がより安心して社会生活を送れるようにすることはもちろん、社会全体として医療体制の逼迫を緩和することで、経済活動の再開を目指していくという観点からも重要であります。  特に若い世代などがデマや誇張された情報によって、ワクチン接種が進まないのではないかという懸念もありましたが、デルタ株では若い人でも重症化のリスクが高いことも周知され、一刻も早くワクチンを打ちたいという人が多くなっているものと思われます。  実際、ワクチン接種を受けたい若者が大勢いることは、渋谷の接種会場やあいちワクチンステーション栄を見ても明らかであります。ワクチンの接種体制を整えることはもちろん、いつ打てるかという心配、疑問に丁寧に説明することも求められております。  当初、国民全体へのワクチン接種の最も大きな目標として、集団免疫の獲得を目指していることと思われます。七割の壁という言葉がありますが、九月十三日には国民の五割が二回接種を完了し、来月には六割に達するとも言われております。  接種が軌道に乗り始めた六月からは、三か月で約四〇%強増加しており、ペースが落ちなければ、年内には希望者全員が接種できるとも言われております。  このような状況を踏まえ、ワクチン接種の効果として、集団免疫の獲得を挙げている以上、達成に向けた具体的な目標、目標ということが言いにくいのであるならば、目安の策定が求められるはずです。知事も、二回接種は八割近くまで上げたいと発言されております。  そして、後ほど触れますが、行動制限の緩和を開始するに当たっても、接種を希望する全ての人が接種完了後とすることが不公平感をなくすことにもなり、二回接種の出口に当たり、一工夫必要になってくるものと思われます。  ワクチン接種の優先順位についても考えてみたいと思います。  ワクチンには、発症予防効果だけでなく、重症化リスク低減の効果もあります。そのため、ワクチン普及初期の段階から、重症化リスクの大きい高齢者への優先接種が行われてきたわけでありますが、現在、六十五歳以上人口の約九〇%程度が二回目の接種を終え、若い世代をはじめ、高齢者以外の方々の接種も進んでいます。自治体によっては、活動量の多い若い世代や、児童生徒に接種する動きも見られ、県としても、若者の接種の機会を増やす努力をしております。  一方、高齢者に次いで重症化リスクの大きい五十代、四十代への接種を優先するということも重要な視点であると考えます。実際、重症化の割合は、六十代以上に次いで五十代、四十代がほとんどであり、この世代の方々にワクチン接種をより進めることは、病床の逼迫をより少なくすることからも、戦略的にも理にかなっていると思われます。  また、これまで基礎疾患を持つなど、重症化リスクの高い方にも年齢に関係なく優先して接種を行ってきたわけでありますが、積極的に接種することが容易でない方もみえ、巡回接種などのきめ細かな、個別での対応も必要であると考えます。  新たな変異株に対する備えにも触れておきます。  デルタ株が蔓延している状況、感染経路として空気感染に近いとの報道もあります。これまでの感染対策としては、小まめな手洗い、ソーシャルディスタンスなどの接触感染や飛沫感染を念頭に置いた話が多かったように思いますが、もちろん、マスクの着用や小まめな換気など、空気感染への対策も共通するものもあると思われますが、これまでどおりの感染対策でよいのか、不安を覚えるところであります。  七月にペルーなどで流行しているラムダ株が日本の検疫で発見されました。WHOが注目すべき変異株に位置づけております。さらには、免疫逃避の可能性を秘めているミュー株の出現。日本や米国での扱いも異なり、見解の難しいところですが、危機管理の観点からは、万一のことに備えておく必要があります。  未接種人口が少なくなるにつれ、接種のペースもより鈍化すると考えられ、特に接種率の高かった高齢者と違い、仕事をしている世代は接種機会をつくることや、若者などは重症化しにくいなどの様々な理由で、高齢者ほどの積極的な接種の動機、行動が高くなく、接種ペースが低くなっていくことは容易に想像できます。  また、二回接種の終盤になるにつれ、そもそもワクチンが足りるのかというような声が聞こえる一方、例えば、個別接種での予約において、ファイザーの場合ですと、六の倍数での予約を取らないとワクチンが無駄になってしまう、なかなか予約自体が埋まらないとか、接種が非効率になり、ワクチンの在庫はあるが、接種が進まないという懸念も出てくると思われます。  既に千代田区からは、集団接種会場の閉鎖と広域調整におけるワクチンの提供の話が出ており、ワクチンを破棄することのないような工夫が出つつあります。  ポイントを少し整理してみました。  目標、目安である十一月までに希望者の接種を完了することに対して、希望者は全て接種できるか。希望者が接種できない場合、どのような対策が考えられるのか。集団免疫は獲得できるのか。高い年代優先という考え方等、接種の優先順位については。基礎疾患のある方の把握と積極的な接種のアプローチは。新たな変異株の認識、見解は。広域調整などワクチンを無駄にしない工夫は。といったように、出口戦略におけるワクチン接種は、しっかりと目的を達成し、次の展開に進まなければなりません。  県として、医療体制の構築をしっかりとした上で、ワクチン接種を加速、充足させていきたいわけですが、年代別の接種率を見ると、高齢者から若者に向かって低くなっていきますが、十一月までの二回接種の終盤に向けてのラストスパート、県として効率的、効果的な接種の向上に向けての方針についてお伺いをいたします。  最後に、行動制限の緩和についてお伺いいたします。  コロナ禍の中、経済を回していくことは大切で、感染拡大防止をキープしながら、いかに行動制限を緩めていくことはとても難しい課題ですが、チャレンジしていかなければなりません。  知事は今月中旬、本県として、この実証実験の参加を表明されました。日常生活、社会活動を取り戻すには、ゼロコロナを目指すのではなく、ウイズコロナ、つまり、コロナの感染拡大防止や重症化を抑えながら、経済を回していくことが必要です。  国も、国民の命や健康を損なう事態を回避することができれば、現在の様々な日常生活の回復に向けた取組を両立することが可能となり、様々な行動制限の縮小、見直しを進めていくとのことです。  飲食においては、ワクチン・検査パッケージや第三者認証の活用方法について検討し、緊急事態措置区域等において、営業時間、酒類提供、会食等の制限について緩和するとのことです。また、イベントや人の移動、学校の活動についても、ワクチン・検査パッケージの活用などにより、規制緩和を検討していくとのことであります。  本県では、新しい認証制度として、あいスタの登録を既に始めており、今後、この登録制度をしっかりと根づかせて、経済を回していきたいものです。  また、群馬県のように、規制を緩めるという形ではなく、プラスの得点をつけていくというやり方もあるようで、正確な情報発信が重要であります。  基本方針では、十月にも実証実験を始め、十一月以降、本格的な緩和に移るようでありますが、さきにも述べましたが、希望者のワクチン接種が完了しないと、不公平感が出てくるものと思われますし、ワクチンを打つことができない方への対応も必要で、陰性証明においては、抗原検査では不十分という見解も出ております。  変異ウイルスの流行などで感染拡大のおそれがある場合は再び規制を強めるなど、緩和の停止の条件もきちっと整理しておくことも重要で、正確な情報発信と県民への理解がとても大切であります。  愛知県が参加を表明した実証実験はどのような形になるのでしょうか。さらには、本格稼働の時期はいつからになるのか、期待と不安が入り交じっている国民、県民が多いことと想像いたします。ここで改めて繰り返し申し上げますが、正確な情報発信と県民への理解がとても大切であります。  本県では、緊急事態宣言の解除が見込まれ、次の対策が始まると考えますが、ワクチンパスと陰性証明を活用しての行動制限の緩和について、どのような考え方で、いつ頃からの開始になるのかをお聞きいたします。  二、三年はかかるという尾身会長の言葉もありますが、ウイルスはいろいろなところで自然の一員として関与し、人間が環境を変えれば、それに対応して変異を繰り返していきます。人間とウイルスの関係を断ち切ることは多分できないことと思われますが、経済を回しながらのコロナ対策、難しいウイズコロナのチャレンジではありますが、明確な答弁を期待いたしまして、質問を終わります。(拍手) 44: ◯感染症対策局長(杉原武君) 初めに、本県における自宅療養者の医療提供体制についてお答えします。  本県では、自宅療養者の体調が急に悪化した場合に速やかに必要な医療を受けられるよう、愛知県医師会の御協力により、電話診療や往診による対応が可能な医療機関の名簿の提供を受け、また、医師からの指示に基づき対応処置を行うことが可能な訪問看護ステーションを名簿化し、保健所の自宅療養者支援業務に活用しております。  名簿には、五百三十三か所の医療機関、九十四か所の訪問看護ステーションが登録されております。  また、この取組に関する本年六月十六日から八月三十一日までの診療実績としては、九月二十七日現在、医療機関による電話診療が四百七十九件、オンライン診療が六十三件、往診が三百三十五件、外来診療が千五百五十六件、訪問看護ステーションによる訪問看護が八件となっております。  次に、ワクチン接種終盤に向けた効率的、効果的な接種の取組についてお答えいたします。  国では、十一月の早い時期までに希望する国民全員の二回接種完了を目標に掲げる中、本県には十月上旬までに十二歳以上人口の九割を超える方が二回接種可能な十分な量のワクチンが供給される見込みとなっております。  そうした中、本県では、高齢者施設や障害者施設への巡回接種に対する財政支援、職域接種の積極的活用、県の大規模集団接種会場における若者や妊産婦等への優先接種、高校生等への集団的接種など、県独自の様々な取組を展開してまいりました。各世代への接種は順調に進み、現在では、十二歳以上人口の六五%を超える方が二回接種を完了するに至っています。  今後、ワクチン接種も終盤を迎えることから、県としては、市町村の接種状況を見据えつつ、市町村間の余剰ワクチンの調整や接種体制の集約化による効率的な運用、大規模集団接種会場における予約なしの接種など、柔軟に対応していく必要があると考えております。  今後も、広域的な調整機能をしっかりと果たしていきながら、希望する全ての県民の皆様が少しでも早くワクチン接種を受けられるよう、さらなる接種促進に全力で取り組んでまいります。 45: ◯知事大村秀章君) 石塚吾歩路議員の質問のうち、ワクチンパスと陰性証明を活用した行動制限の緩和についてお答えをいたします。  その前に、このマスクは、すみません、あま市のやつが手元になかったので、これは大治町のはるちゃんのついたマスクでございます。  それでは申し上げます。  国は、ワクチン・検査パッケージなどを活用し、様々な行動制限の縮小、見直しを進めていくこととしております。このため、飲食店、ライブハウス、小劇場、音楽コンサートなどの大規模イベントにおいて技術実証を行い、対策の効果や課題を明らかにし、社会経済活動の円滑な再開に向けた検証を行っていくこととしております。  私も、ワクチン接種が進み、重症化する患者数が抑制され、医療の逼迫を回避することが可能となれば、基本的な感染症防止対策を維持した上で、様々な行動制限を緩和し、社会経済活動を回していくことは合理的であると考えております。  このため、本県では、イベントの分野における人数制限の緩和に関して、収容率の上乗せや立ち見も含めた音楽コンサート等の実施について、技術実証を国へ提案いたしているところであります。  また、飲食の分野におきましては、利用者のワクチン・検査パッケージや飲食店の第三者認証制度を活用して、これらを組み合わせた制限緩和の具体化が進められることになっております。  本県では、営業時間の短縮等の制限緩和を図るため、感染防止対策の向上に向けまして、あいスタ認証制度を設けまして、認証店に対して感染防止対策の資機材を配布するなど、その普及、促進に取り組んでおります。  来月から実施される国の技術実証では、ワクチン接種歴などの確認や入場前の検査の運営方法などを検証していくことになりますので、今後、そうした動きをしっかりと見据えながら、対応していきたいと思っております。  こうした中で、本日、国の新型コロナウイルス対策本部におきまして、これからですけれども、本県を含む十九都道府県の緊急事態宣言の解除について、今、国会の審議が進んでいるところですね。ということと、六時から国の対策本部会議と、こういうふうに聞いておりますが、手続が進められております。  本県では、さきの緊急事態宣言が解除された後の三月からの対策や、まん延防止等重点措置が終了した七月からの対策と同様に、県独自の厳重警戒宣言を発出いたしまして、十月一日から十七日の日曜日まで厳重警戒宣言、そしてその措置で対応していきたいと考えておりまして、段階的な制限緩和による感染防止対策を講じてまいります。
     今回の措置では、県民の皆様に対する不要不急の外出自粛は緩和をし、外出する場合には、混雑する場所や時間を避けて、少人数での行動をお願いいたします。  また、都道府県、県間移動については、これまでは自粛をしてもらうということにしておりましたが、今回は、県間移動はしてもいいけれども、その場合に、基本的な感染防止対策は徹底していただくといったようなことをお願いいたします。  また、飲食店さんには、第三者認証店は──あいスタ認証店ですね──午後九時までの営業、お酒は午後八時まで、それ以外のお店は午後八時まで、お酒、七時半までという形で、これは国の基本的解除方針にのっとって、そういうふうにさせていただきます。  今後も、感染状況に応じ、必要な対策を適時適切に講じながら、正確な情報発信に努めて、オール愛知一丸となって、安心な日常生活と活力ある社会経済活動を取り戻していくことができるように、医療体制の確保、感染防止対策の徹底、ワクチン接種の促進に全力で取り組んでまいります。  なお、この時間になりましたので、本日、二十八日火曜日の愛知県の陽性者数が出ましたので申し上げます。  本日、愛知県は百三十九人、うち再感染一人でありました。県所管部六十八人、名古屋市四十七人、豊橋三人、岡崎八人、一宮八人、豊田五人で百三十九人でございます。  先週は百五十一人でありまして、二週間前、五百六十八人、三週間前が千二百十三人、それまでが千六百十四人ということでありますので、八月末の千六百人ぐらい、火曜日で比較してからぐっと下がってきて、今百三十九人と、十分の一以下ということになっております。  先週から比べると、少し落ち方が鈍化してきたかなという感じはいたしますが、いずれにしても減少傾向ではありますので、こういう形で十月一日から新たな措置に切り替えて、段階的に緩和をして、また、医療体制もしっかり確保して、この秋冬にしっかり備えていきたいと思っております。何とぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。 46: ◯副議長近藤裕人君) この際、お諮りをいたします。  会議中、時間経過のおそれがありますので、時間を延長することに決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 47: ◯副議長近藤裕人君) 御異議なしと認めます。  よって、時間は延長することに決定いたしました。  進行いたします。  新海正春議員。     〔四十七番新海正春君登壇〕(拍手) 48: ◯四十七番(新海正春君) 通告に従い、四項目について順次お尋ねいたします。  初めに、交通安全についてです。  令和元年、二年と二年続けて交通事故死亡者数全国ワーストワンを脱却し、今年は九月二十六日時点で死者数が七十六人、昨年と比べてマイナス三十六人と大幅に減少していることに対し、県警察はじめ関係部局の皆様の日々の活動に大いに感謝と評価をしている次第であります。  今年も残り三か月余りになりましたが、ぜひともこの状況が継続することを非常に期待しております。  そこで、私が日常の活動の中で感じることや、県民からの話をお聞きした中で、交通安全に少しでも役立てばとの思いから、道路の安全対策としてのバイパス整備について、具体的に二点お伺いします。  一点目は、岡崎市島坂町地内の県道岡崎西尾線であります。  この県道は、昭和四十一年に用地買収により道路拡幅されましたが、当時は歩道のない道路でありました。そのため、歩行者の安全対策として昭和六十二年頃、道路の片側に歩道が設置されましたが、現状の道路の幅の中で設置されたこともあって、歩道のない側の路肩は従前より狭い道路の形状となりました。  その後は交通量の増加や車両の大型化により、道路の通行の安全性が脅かされる状況となっており、大型車両が住宅に接近して通行するなど、歩行者にとっても、車両にとっても危険な状態で、住民からは安全な道路に改修してほしいと長年要望が出ております。  しかし、バイパス建設を計画しているので、それができれば大型車両の交通量が減少し、安全になるとの説明であったとお聞きします。  そのバイパスとは、都市計画道路豊田西尾線のことであり、昭和三十六年に岡崎市西部地域の将来あるべき道路ネットワークとして都市計画決定されています。都市の骨格を形成する路線の一つとして期待され、新堀町地内の県道岡崎環状線のバイパスとなる区間と併せ、これまで事業着手に向けて地元調整などを進めていただきましたが、地元の総意を得るところまで至らず、六十年余りが経過しました。  一方で、現道である県道岡崎西尾線の交通量が増加し、渋滞や危険性がますます高まっています。住民からは、バイパスができないなら、危険な現道の改修を真剣に取り組んでほしいとの声が出始めていることから、住民の期待に添えるように、早期にバイパス整備を進めていただきたいと思います。  そこでお尋ねいたします。  県道岡崎西尾線と県道岡崎環状線のバイパスとなる都市計画道路豊田西尾線の整備に向けた取組状況についてお伺いいたします。  二点目は同様に、岡崎市と幸田町を南北に結ぶ県道須美福岡線においても、交通安全上、危険な状況にある区間があります。  路線の周辺にはJR東海道本線の相見駅や工場などの施設が立地し、朝夕の通勤時間帯に慢性的な渋滞が発生しており、集落内の現道においては、幅員が狭い区間や歩道のない区間があることから、通学児童を含む歩行者の安全が懸念されております。  また、この地域では、幸田町地内において床上・床下浸水など、約百二十軒の家屋が被災した平成二十年八月末豪雨を契機として、広田川の河川改修に対する地元要望が強くなっております。  現在は河川改修を進めるため、支障となる岡崎市、幸田町管理の新田橋を撤去し、その代替として、県道須美福岡線のバイパスの新たな橋を建設することになっております。河川改修を一日も早く進めるためにも、地元から一刻も早いバイパス整備が望まれるところであります。  そこでお尋ねいたします。  県道須美福岡線のバイパスの整備状況と今後の取組についてお伺いいたします。  次に、地域の活性化に資する道路整備についてお尋ねいたします。  現在、JR岡崎駅の南西で施工中の岡崎駅南土地区画整理事業区域内には、二十四時間三百六十五日の救急医療を実施する藤田医科大学岡崎医療センターが昨年四月に開院し、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場として運用されるなど、岡崎市のみならず、広域的な地域の救急医療、先進医療の中心的役割を担っています。  また、昨年十月には複合商業施設が開店し、来年度には新たな大規模商業施設の開店も予定されております。  さらに、その隣接地には、岡崎市と幸田町を管轄する岡崎警察署の移転計画が進められているところであります。  これらの地域の安全・安心を担う重要な施設や地域活性化につながる大規模商業施設が有効に活用されるためには、アクセス道路が重要となりますが、区画整理事業区域外からのアクセス道路は未整備路線が多く、周辺道路整備が喫緊の課題となっております。  そこでお尋ねいたします。  岡崎駅周辺の都市機能を十分に発揮し、地域の安全・安心を高め、地域を活性化するためには、都市計画道路福岡線の早期整備が必要であると考えますが、都市計画道路福岡線の整備状況と今後の取組についてお伺いいたします。  続いて、災害時に備えた企業等との応援協定についてお聞きします。  近年、地球温暖化の影響と考えられる極端な気象現象が地球規模で発生しており、我が国でも大雨となる日数が増加の傾向にあり、これに伴って毎年のように全国各地で災害が発生しています。  今月中旬にもいっときは最大瞬間風速八十メートルを超えるスーパー台風十四号が発生しましたし、現在も非常に強い台風十六号が日本近海の海水温上昇などの影響で猛烈な勢力に発達して、日本に接近すると予報されていますので、今後は想定外ではなく、これらに備える恒常的な防災が必要になると感じています。  また、二年前には台風十五号により、千葉県を中心に大停電が発生しました。そのときは最大瞬間風速五十七・五メートルを観測し、東電が経験したことのない規模の倒木で現場に入れず、送電線の修理が遅れて、復旧見通しが何度も延期しましたし、風速四十メーターの基準で造られている鉄塔二基が倒壊する被害もあったそうです。  夏場の停電であり、熱中症などの命に直結する問題でもあるため、東電は電力各社の協力を得て、電源車を活用して対応しましたが、停電が長期化し、自家発電装置の稼働が終了した病院や介護施設などでも大きな問題が発生したことや、地域としては停電解消なのに、自分の家は停電している隠れ停電により、長期の不便な生活を余儀なくされた民家などがNHK明日をまもるナビで取り上げられていました。  今年の七月には、熱海市伊豆山地区で土石流が発生し、死者、行方不明者合わせて二十七名、負傷者三名、建物被害百二十八棟となる痛ましい被害になるとともに、先月の八月十一日から二十一日頃にかけては、日本列島周辺に停滞した前線の影響で、西日本から東日本の広い範囲で大雨となり、千葉県から鹿児島県にかけての二十府県において人的被害、住まいの被害が報告されており、死者、負傷者合わせて二十九名、全壊・半壊家屋は百七棟、床上浸水、床下浸水合わせて八千八十七棟と甚大な被害になっております。被災されました皆様には心よりお見舞い申し上げます。  このたびの八月の大雨に関する様々な報道がされた中で、私の目に留まった記事の一つを紹介させていただきたいと思います。  それは、今回の大雨により開設した避難所に山崎製パンがいち早く菓子パンを届けたことに関する記事であります。  記事の内容を要約しますと、岡山県総社市では、八月十四日に市内を流れる高梁川の水位上昇や土砂被害の危険性が高まったことを受け、市内九か所の避難所を開設するとともに、山崎製パンに応援を依頼したところ、山崎製パンは総社市内にある工場から千四百個の菓子パンを市役所と消防署に配送したというもので、その迅速な対応に総社市長がツイッターで謝意を表したところ、山崎製パンの対応に多くの称賛の声が寄せられているという内容でありました。  さらに、その記事では、山崎製パンは今回の大雨で、広島県広島市や安芸高田市にもパンの提供を行っていること、過去には東日本大震災や熊本地震、総社市には平成三十年七月豪雨でも支援を行っていることが紹介されていました。  こうした災害時に企業や団体等から協力を仰ぐため、愛知県においても様々な協定を結んでいることは承知しておりますが、最近では、去る六月二十四日に、三菱自動車工業と県内に販売店を持つ四つの三菱自動車販売会社との間で、災害時における電動車両等の支援に関する協定を締結しております。  電動車両の提供について、県では昨年一月にトヨタ自動車株式会社やトヨタ車の販売店と地域活性化に向けた包括連携協定を締結しており、災害時には給電が可能な電動車両をトヨタの販売店の試乗車の中から借り受け、災害対応に活用するとのことであり、今回の三菱自動車は、トヨタ自動車に次いで二社目となると思います。  三菱自動車といえば、私の地元岡崎市に生産拠点を持ち、SUV車両であるプラグインハイブリッドカーを生産しており、地元で生産された車が災害時に被災地で役に立つことは喜ばしいことであります。  先ほども触れましたけれども、千葉県を中心に東京電力管内で最大九十三万戸が停電し、一〇〇%復旧までに二週間以上かかった台風十五号により、避難所や病院、福祉施設など、多くの方が身を寄せる施設において生活環境が悪化し、体調を崩した方がみえたことから、今回の協定によりこうした事態を防ぐ一助となることを期待しています。  そこで、まず、このたび締結した三菱自動車工業等との災害時における電動車両等の支援に関する協定により行われる応援の内容についてお伺いいたします。  次に、こうした協定に基づいて行われる企業等からの応援の実効性を確保する取組についてお尋ねいたします。  このたびの八月の大雨のような大きな災害が発生すると、多くの避難所が開設されますが、避難所は自宅での生活が困難となった方々が身を寄せ、生活のよりどころとなる場所であることから、避難所での生活環境をできる限り良好なものとし、安心して避難生活を送っていただく必要があり、そのためにも水、食料はもとより、衣料や生活用品等、様々な身の回りの品々が必要となります。  各自治体では、避難生活に必要な品々を非常持ち出し袋に入れ、いざというときには各自で持参していただく家庭での備蓄を促しているものの、避難生活が長期化すれば、個人の備蓄では限界があることから、県や市町村ではあらかじめ被災者に提供するための物資を備蓄したり、民間事業者から応援を受けるための協定を結んで、そうした事態に備えているところであります。  そうした協定の中には、締結してかなりの年数が経過しているものもあることから、今回の岡山県や広島県が山崎製パンから迅速な応援を受けたように、県と協定を締結している事業者が密接に連携し、県から依頼をすれば速やかに応援が実施される体制を維持しておくことが必要であると思います。  そこで、災害時に協定に基づく応援が迅速、確実に実施され、被災者が安心して避難生活を送ることができるよう、県ではどのような取組を進めていくお考えかお伺いします。  続いて、認知症施策の推進について、二点お伺いします。  まず初めに、認知症希望大使と連携した取組についてであります。  我が国では、高齢化の急速な進行に伴い、今後、認知症高齢者の大幅な増加が見込まれています。  厚生労働省の推計によりますと、全国の認知症高齢者の数は、二〇一五年の約五百二十五万人が、団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二〇四〇年には最大で約九百五十三万人となるとされています。六十五歳以上の高齢者の約四人に一人が認知症となる時代がやってくるのです。  この推計を本県に当てはめますと、二〇一五年の約二十八万人が二〇四〇年には最大で約五十五万人に増加すると見込まれ、もはや認知症は、自分自身を含む誰もがなり得る身近なものとして受け止める必要があるのではないでしょうか。  折しも、先週の九月二十一日は世界アルツハイマーデーでありました。また、この九月は世界アルツハイマー月間として、世界各地で認知症の主な原因疾患であるアルツハイマー病等に対する理解を呼びかける啓発活動が展開されています。  県でも九月二十一日には、本庁舎を認知症支援のシンボルカラーでもあるオレンジ色にライトアップされ、県民に対し、認知症への理解を呼びかけたところであり、この機会に改めて、私たち一人一人が認知症について理解を深めていくことが大変重要であります。  こうした中、県では、認知症の方御本人が自ら体験等を語り、認知症に関する啓発活動を行う愛知県認知症希望大使を募集し、去る七月二十七日にお二人の方を愛知県認知症希望大使として委嘱されました。  お一人目は、近藤葉子さん。五十一歳のときに若年性アルツハイマー型認知症と診断された後も、認知症カフェでのボランティア活動や、劇団への所属、認知症サポーターを中心とする交流会への参加など、多方面で活躍されていらっしゃる方であります。  そして、お二人目は、内田豊蔵さん。七十五歳のときにアルツハイマー型認知症と診断された後も、本人ミーティングへの参画や、お住まいの市の広報紙での市長対談をはじめ、当事者に前向きになってほしいとの思いで啓発活動に取り組んでいらっしゃるとお聞きしております。  お二人のお姿やメッセージが九月五日の広報あいちに掲載され、すてきな笑顔とともに、認知症とともに生きるを発信していきますという力強いメッセージを拝見しましたが、前向きに大使としての活動へ意欲を示されている御様子に、私も心を打たれたところであります。  このように、認知症の方御本人が御自身の言葉でストレートに思いを伝えることは、他の啓発活動にはない強い発信力があると思います。県民の皆様により一層、認知症への理解を深めていただくために、私もお二人の御活躍に大いに期待をしているところであります。  そこでお伺います。  今後、県では、県民の認知症に対する理解を深めるため、認知症希望大使のお二人と連携し、どのような取組を進めていかれるのかお伺いいたします。  次に、認知症カフェについてであります。  各地域で開催されている認知症カフェは、認知症の人やその御家族などが安心して過ごせる居場所として、認知症の人の社会参加や御家族のレスパイトの場であります。  市町村では、認知症の地域支援のコーディネーターである認知症地域支援推進員の方が中心になって企画、調整を行うなど、様々な実施主体、方法で開催されていると伺っておりますが、こうした多様な交流の場である認知症カフェは、認知症への理解促進の観点からも、地域の社会資源として非常に重要な役割を果たしていると思います。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染への不安から参加を控える方もいらっしゃるほか、お茶を飲みながら会話を楽しみ、気軽に交流を図るという本来の運営スタイルを継続することが難しくなるなど、少なからず活動に影響が見られるとお聞きしております。  コロナ禍が長期化する中、こうした状態が続けば、認知症の方御本人の体や認知機能等への影響や、御家族の介護疲れ等も心配されるところであります。また、地域の方々との交流機会が減少することで、認知症に対する理解を深める場としての機能にも大いに影響があるのではないかと懸念しております。  そこでお伺いします。  コロナ禍における認知症カフェの運営について、現状と課題をどのように認識されているのか、また、活動の推進について今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  以上で、壇上での質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 49: ◯建設局長(道浦真君) 交通安全についてのお尋ねのうち、都市計画道路豊田西尾線についてであります。  都市計画道路豊田西尾線は、岡崎市内の矢作川右岸地域における南北の幹線道路であり、この現道区間となる県道岡崎西尾線と県道岡崎環状線は、車道や歩道の狭い区間があることから、交通安全の確保が課題となっております。  また、JR東海道本線の矢作天神踏切では慢性的な渋滞が発生しており、二〇一七年一月に踏切道改良促進法に基づく改良すべき踏切道に指定されるなど、交通の円滑化が課題となっております。  これらの課題への対応策として、JR東海道本線との立体交差化を含む延長二・一キロメートル区間のバイパス整備に取り組んでおります。  このバイパス整備については、二〇〇六年度に地元から事業化要望が提出されておりますが、事業化に向けては、バイパスルートに近接する二つの踏切の廃止が長年の課題となっておりました。  この課題解決に向け、関係地区やJR東海と継続的に調整を重ね、二〇一九年度にこれらの踏切を統廃合することで関係地区と合意し、JR東海と具体的な交差構造を決定していくための協議を開始することになりました。  これを受け、昨年度に地元への説明を行いつつ、バイパス全線の現地測量やJR東海道本線との立体交差部の橋梁予備設計に着手しております。  今後は、地元及び岡崎市の協力を得ながら、具体的な道路計画を早期に固めてまいります。  次に、県道須美福岡線のバイパスについてであります。  県道須美福岡線のバイパスにつきましては、交通安全の確保と地域間交通の円滑化を図るため、幸田町地内の須美福岡線の現道から岡崎市内の県道安城幸田線を結ぶ約二キロメートル区間において、二〇一一年度から国の交付金により事業を実施しております。  このうち、一級河川広田川の改修に必要となる新たな橋を含む南側の約一・四キロメートルを先行整備区間に位置づけております。  これまでにこの区間の用地取得は全て完了し、広田川に架かる二径間の橋梁工事についても、橋台と橋脚の工事が今年六月までに全て完了しております。橋梁上部工事についても既に発注しており、来年度の開通に向け、工事を進めてまいります。  また、この区間北側の岡崎市内の約〇・六キロメートル区間につきましては、これまでに道路設計を実施し、公安委員会との協議が完了しております。今後は、用地測量に向け地元調整を進めるなど、事業進捗を図ってまいります。  今後とも、地域の交通安全と円滑な交通の確保に向け、幹線道路の整備にしっかりと取り組んでまいります。 50: ◯都市・交通局長(森哲也君) 都市計画道路福岡線の整備状況と今後の取組についてであります。
     JR岡崎駅周辺は、岡崎市の立地適正化計画において都市機能誘導区域に位置づけられており、岡崎駅南土地区画整理事業区域では、高度な医療施設や複合商業施設など、広域的な都市機能の集積が進んでおります。  都市計画道路福岡線は、この区画整理事業区域を南北に貫く幹線道路であり、事業区間である約三・一キロメートルのうち、区画整理事業区域の中央部から北側約一・九キロメートル、都市計画道路岡崎刈谷線につながる区間については既に供用済みであります。また、南側約一・二キロメートルについては、現在、沿道の開発状況に応じた道路の整備や事業用地の確保を進めております。  この区間は、交差する都市計画道路安城幸田線を通じて、安城市や幸田町、西尾市とこのエリアを結ぶ重要な道路であり、岡崎市や区画整理組合と連携しながら、二〇二四年度の供用開始を目指してまいります。  今後とも、岡崎市のにぎわいのあるまちづくりや西三河地域の活性化に大きな役割を果たす都市計画道路福岡線の整備にしっかりと取り組んでまいります。 51: ◯防災安全局長(中川喜仁君) まず、災害時における電動車両等の支援に関する協定についてであります。  二〇一八年の北海道胆振東部地震や、二〇一九年の台風十五号のように、災害により発生した大規模な停電を復旧させるためには、設備の点検、補修、倒木の除去などの作業が長期間、広範囲にわたって必要となる場合があります。  停電が復旧するまでの応急対策として、電力会社は電源車を災害拠点病院等の重要施設に配備するよう努める計画となっておりますが、電源車の数には限りがあることから、全ての施設に対応できるわけではありません。  このため、避難所や小規模な施設では、電動自動車、プラグインハイブリッド車等からの電源確保も重要な対策となります。三菱自動車工業及び三菱自動車販売四社との協定では、トヨタ自動車等との協定と同様、災害時に電動自動車、プラグインハイブリッド車が無償で貸与されるものとなっております。  また、平時においても、災害時における電動車両等の有用性を広く県民に周知することや、協定に基づく支援活動を円滑に実施するため、県が行う防災訓練に積極的に参加することも含まれております。  三菱自動車工業は、二〇一九年の台風で被災した千葉県の福祉施設等において、十二台のプラグインハイブリッド車による電源供給を行うなど、被災地の支援を行っており、この協定の締結により、本県の災害時における停電対策の充実、強化が図られるものと考えております。  次に、協定に基づく応援が迅速、確実に実施されるための取組についてであります。  本県では、災害時に発生する様々な災害応急対策業務を迅速に実施するため、民間企業や団体等と災害時における応援協定の締結を進めております。  防災安全局では、今年度は六月の三菱自動車工業等との協定に続いて、七月にはファーストリテイリングと衣料品など生活物資の提供を受ける協定等、三件の応援協定を締結しているところです。  また、こうした協定に基づく応援が確実に実施されるためには、県と協定締結事業者や、協定締結事業者相互の連携が重要でありますので、県が行う防災訓練への参加を通じて、相互理解の促進と連携体制の強化に努めております。  具体的には、愛知県LPガス協会による避難所での炊き出しに必要なプロパンガスの供給訓練のほか、必要な物資が確実に避難所に行き渡るよう、県と愛知県トラック協会、物流事業者等が連携して、県外からの物資が集まる広域物資輸送拠点の実動訓練に取り組んでおり、その結果を検証し、運用方法の改善を図っております。  さらには、毎年、協定締結事業者との連絡会議を開催し、過去の大規模災害時における課題への対応状況や、災害応急対策を実施する上で必要な情報を提供するとともに、意見交換を行っております。  本県といたしましては、協定に基づく応援の実効性を高めるため、平時から協定締結事業者との防災訓練や意見交換を積み重ね、被災者の方々が安心して避難生活を送れるよう、防災体制の強化に努めてまいります。 52: ◯福祉局長(岡本範重君) 認知症施策の推進についての御質問のうち、初めに、認知症希望大使と連携した取組についてお答えいたします。  本県では、今年七月にお二人の方を愛知県認知症希望大使として委嘱いたしました。この八月には就任後最初の活動として、認知症県民フォーラムにパネリストとして御登壇いただき、御自身の体験や希望についてお話しいただいたところです。  また、今後も、御本人の希望や体調に合わせながら、認知症に関する啓発活動へ御協力いただくこととしております。  具体的には、県立高等学校等の生徒や教職員を対象とした出前講座や、県や市町村が開催するボランティア養成講座等における講師として御活動いただき、認知症になっても希望を持って暮らしている姿を発信していただきたいと考えております。  こうした活動を通じて、大使のお二人と協働しながら、広く認知症に対する理解の促進を図ってまいります。  次に、認知症カフェについてお答えいたします。  コロナ禍であっても、認知症の方やその御家族、地域の方々などの交流の場である認知症カフェの活動を維持していくことは大変重要であります。  そのため、本県では、コロナ禍における認知症カフェの現状と課題、先進的な取組事例等を調査、把握するため、本年八月に県内市町村及び五百六か所の認知症カフェ全てを対象に実態調査を行い、三百二十か所から回答をいただきました。  調査の暫定集計結果によりますと、調査時点で活動中の認知症カフェは、回答のあったカフェの約三割の九十二か所でございました。このうち、開催時間を短縮しているところは約二割、参加者が減少したところは約七割と、活動の縮小、小規模化が見受けられており、こうした現状からも、認知症カフェの活動をどのように維持していくかが課題となっております。  その一方で、これまでどおりの開催が難しい場合でも交流が維持できるよう、オンラインツールの活用や屋外での活動、定期的な電話連絡や手紙の送付等、様々な工夫をしながら取り組まれている事例も報告されているところです。  調査で明らかになった課題を踏まえ、年内に開催を予定しております認知症カフェサミットにおいて、市町村や認知症カフェ運営者等の皆様方と先進事例を共有するなどにより、新しい生活様式に対応した認知症カフェの取組を県内全域に広めてまいりたいと考えております。  コロナ禍においても、認知症カフェにおける交流の推進が広く図られるよう、しっかりと取り組んでまいります。 53: ◯知事大村秀章君) 新海正春議員の質問のうち、認知症施策の推進について、私からもお答えをいたします。  そして、またマスクでございますが、これは岡崎出身のタレントでキャイ~ンの天野さん──オリンピックの聖火リレーも務めていただきました──が描かれたアマビエがついたアイラブ岡崎のマスクでございます。もう一年以上前に頂いたものでございます。  ということで、認知症施策について申し上げます。  認知症の方御本人が自らの言葉で語り、生き生きと活動する姿は、多くの人を勇気づけるとともに、認知症に対する社会の認識を変えるきっかけともなります。  本県では、昨年十二月にあいちオレンジタウン構想第二期アクションプランを策定し、認知症の方や御家族の方の視点を重視しながら、認知症施策のさらなる充実に全力で取り組んでいるところであり、新たな取組として、認知症になっても希望を持って暮らしている姿を御本人自らが発信する愛知県認知症希望大使を委嘱し、大使と協働した普及啓発を進めていくこととしております。  これは国の厚労省が最初にオレンジプランで委嘱をして、そして各県に推奨している、そういった取組ということでございます。  私ども愛知県におきましても今年七月に、大使に御応募いただきました近藤葉子さんと内田豊蔵さんお二人に、私から直接委嘱状をお渡しさせていただきました。御自身の体験等を直接お伺いして、改めてこの認知症を身近なものとして認識するとともに、今後の活動に向けた力強い抱負をお聞きし、大変心強く感じたところでございます。  また、この八月には、私も出席をいたしました認知症県民フォーラムのパネリストとしてお二方にも御出演いただきまして、自らの体験に加え、夢と希望をお話しいただきました。この様子は今週中にも、県のホームページを通じて広く御覧いただけるようにしてまいります。アップしますので、またさわりだけでも御覧いただけたらと思います。  認知症は誰もがなり得る身近な病気の一つでありまして、認知症の方が住み慣れた地域で生き生きと暮らしていくことのできる社会を実現するためには、より多くの県民の皆さんに認知症のことを知っていただいて、じぶんごととして考えていただくことが大切であります。  今後も認知症への理解促進を図り、認知症の方やその御家族等が希望を持って暮らし続けられる認知症に理解の深いまちづくりに向けまして、しっかりと取り組んでまいります。 54: ◯四十七番(新海正春君) 大村知事はじめ、いろいろと御回答いただきまして、ありがとうございました。  ちょっと要望させていただきます。  局長のほうから、バイパスを前向きに取り組んでいただけるというお話を私はいただいたと思っておるんですけれども、今、交通安全に困ってみえる地域の人は本当に希望を持てるのではないかなと思いますので、しっかりとよろしくお願いしたいと思います。  また、災害の関係なんですけれども、電動車両ということで、トヨタと三菱が県と契約というか、協定を結んだんですけれども、やはりトヨタ、三菱というのは、ほかの市町とも、ほかの団体とも多分、様々な協定を結んでみえると思います。その人たちとの協定間の整合性というか、それをうまく使いながら、限りある資源を有効に使っていただけたら、ありがたいなと思っています。  また、パンやなんかを、山崎パンがたくさん市役所と消防署に配送したとありましたけれども、災害のときというのは道路網がずたずたになる可能性があるものですから、そういうときに多くの避難所への配送という、そういう仕組みをつくり上げるということも大事じゃないかなと。  それで、愛知県はしっかりしたヘリコプターとか持っているんですけれども、今話題のドローンをうまく使いながら、そういう仕組みを検討していただけたらありがたいなと思っております。  あと、認知症カフェで、岡崎市は認知症カフェが大事だということで、運営費の補助金を出しておるんですけれども、この辺、今回の実態調査の結果を踏まえまして、コロナ禍で認知症カフェが安定的、継続的な運用ができるように、県と市町村が連携して、しっかりと支援をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  以上で要望を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 55: ◯四十一番(南部文宏君) 本日はこれをもって散会し、明九月二十九日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 56: ◯副議長近藤裕人君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 57: ◯副議長近藤裕人君) 御異議なしと認めます。  明九月二十九日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後五時一分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...